
「クロコの国のプリンセス 魔法少女サイクロコたん」
昔から、ハーモニカワールドの地下に、カエルから進化した「クロコ」たちの国がありました。一応王国の体裁を保ち、王様もいました。カエルをそのまま大きくしたような姿のクロコたちの中で、何故か王族だけは人間と同じ姿をしておりましたが、国民たちは王様を慕っておりました。また、王様も同様に国民を愛す、それは平和な国で、みんな仲良く暮らしておりました。
代々王家には「”災”の冠」という冠が伝えられていました。これを継承する者は、国の危機にそれを纏い、国民(クロコ)たちを守る義務を持っておりました。しかしなにぶん外界から閉ざされた平和な国、いつしか王家の者たちもその冠の存在はただの伝説になってしまっていたようです。
長らく続いたクロコ国の静寂と平和を破ったのは大きな振動でした。時を同じくして地上では様々な異変が起きていました。これがEVPだったのです。
偶然地上との間にできてしまった境目、好奇心旺盛なクロコの民たちはこぞって地上を覗きに出かけてしまいました。これが悲劇の始まりだったのです。
地上に現れたクロコの民を見た学生たちは驚きました。地上の人間からは、クロコの民は巨大なカエル、化け物のようにしか見えず、もちろん言葉も通じませんでした。好奇心と友好の気持ちから近づいたクロコを、その学生たちは『化け物に襲われた』と感じてしまったのです。護身のために攻撃を加え、クロコに怪我を負わせてしまいます。
怪我をした国民が逃げ帰ってきた頃、全身黒ずくめの地上の男が単身、クロコの国を訪れました。謝罪の意だと考え、王様はその男と会うことにしました。王家に伝わる古文書などから、王家の者は地上の言葉が理解できたのです。
しかし、謁見を許可され、王の間に通された男から発せられたのは、予想外の言葉。
「我々人間は、新たな領土獲得のため、この地下世界へ進出する。私は、宣戦を布告する使者である!」
驚く王様に向かって、卑劣にもその男はさらに武器を携え襲い掛かったのです。
数日後。クロコの国は騒然とした状態がまだ治まらずにいました。王様は一命は取り留めたものの重傷で床に伏し、犯人の人間にはまんまと逃げられてしまいました。国民からは断固地上の人間たちと戦うべきだという主張が日に日に増し、既に冷静に事態を把握できる者はほとんどいなくなっていました。
王様の病室の窓から、そんないきり立った国民の姿を見て嘆く少女がひとり。
「ああ、この間までの、穏やかで平和だったこの国は、どうなってしまうのかしら?」
彼女の耳に、背後から掠れた声が聞こえてきます。
「・・・ーナ・・・クローナよ・・・」
「お父様!お目覚めになったのですね!」
ベッドに駆け寄る少女。どうやら、この国の姫君さまだったようです。王様はじっと天井を見つめ、暫らくしてから脇に立つ愛娘の顔に視線を移しました。
「クローナ、我が娘よ。辛い運命を背負わせるのは心苦しいが・・・私に代わりこの国、そして民たちを守ってくれんか」
突然の言葉に少女は戸惑います。
「ワシに斬りつけて逃亡したあの男・・・本当に侵略の意があるにしてはやる事が中途半端すぎる。あやつの身のこなしから考えれば、ワシに止めを刺すことなど造作もなかろう。そもそも、人間同士でもあるまいに、わざわざ宣戦布告をすること自体が不自然だと思わんか」
「!地上の人間たちと、わが国が交戦状態になることが目的だと?」
「うむ、しかし国民たちは現にいきり立っておるようじゃな。よいか、先走り地上に攻め込むなどという愚かな真似をさせぬよう、国民を抑えねばならぬ」
「はい、あたしにできる限り、国民に呼びかけます」
「そうは言っても降りかかる火の粉は払わねばならん。もしかすると、地上の人間たちの間にも何か情報操作がなされているかも知れぬ。例えば・・・『地下に凶悪な怪物の巣窟があり、安全確保のために掃討する必要がある』などとな」
「お、お父様・・・それはあまりにも・・・」
「例えばの話じゃ。しかし、人間たちの方からこちらに攻め込んでくることは十分考えられる。その時、ワシの今のこの体では戦うこともままならぬ。国民の無駄な犠牲は極力抑えたいのだが」
「あ、あたしに、それができるでしょうか」
事態の深刻さ、課せられた使命を自覚して、少女の肩はわずかに震えています。王様はそれを見て一瞬だけ、歯を強く食いしばり、目を閉じました。
「我が王家に伝わる兜、いや、冠をお前に託す。この力を使えば、人間たちに我らが脅威をみせつけ、それによって無為な争いを避け、被害を最小限度に抑えることができるかも知れん」
「もしかして、それは・・・”災”(サイ)の・・・」
「そうじゃな、お前が小さき頃に聞かせた御伽噺じゃ。クロコの国を脅かすものにとっての『災厄』、守護神サイクロコ。しかしこれは、王家に伝わる実話なのじゃ」
「あたしが、その、サイクロコに・・・」
「クローナ=フォン=クロコダイルよ、このロココ=フォン=クロコダイルの頼み、受けてくれるか」
(つづく)
っていや続きませんよ?続かないったら続かないって。
単に島演歌サイトのお絵かき掲示板に描いてみた自分の絵に適当に設定つけただけなんで!
いや最近空き時間にブログ更新もせずに小説読みふけっちゃったりしちゃってまして。なんとなく妄想を形にしてみたくなったというのが実情かしらん。