2024.8.6一日一季語 茗荷の子(みょうがのこ《めうがのこ》) 【夏―植物―晩夏】
茗荷の子貰ふ両手に余るほど 望月晴美
地下茎から出る花穂を食すので「花みょうが」とも呼ばれている。3世紀に書かれた『魏志倭人伝』で書かれているほど日本では歴史が古い茗荷。野菜として栽培しているのは日本だけといわれている。
長野県佐久市では「みょうがが生える家は栄える」という言い伝えがあり、古くからみょうが栽培の文化が根付いている。長野県の郷土料理である「やたら」にもみょうがは欠かせない食材。茗荷の収穫は時期が揃っているので、近所におすそ分けするほど採れる。
*2024.8.3 近所の庭先にて
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【傍題季語】
関連季語
→ 茗荷竹(春)
→ 茗荷の花(秋)
【季語の説明】
茗荷は東アジアを原産とする、ショウガ科ショウガ属の多年草。その独特な風味から、料理にさっぱりとした清涼感をもたらしてくれる香味野菜として知られている。茗荷の子のすがすがしい芳香と辛みはかなり古い時代から日本人に親しまれていて、「正倉院文書」(7〜8世紀)や「延喜式」(927年)に大膳、内膳の宮中料理に用いられたという記述がある。
七月ごろ地下の根茎から新しい茎を伸ばし、茎頂に花序をつける。これを茗荷の子という。一般に茗荷と呼んで食す。
【例句】
鳴神の水のかかりの茗荷の子 山尾玉藻
箒の手休めて摘めり茗荷の子 宮本道子
目印のリボンを付けて茗荷の子 島崎勇作
茗荷の子摘みきて朝餉はじまれり 大山妙子
茗荷の子掘りだされたる土匂ふ 鴨下昭
【由来】
昔々、お釈迦様のお弟子さんに周梨槃特(シュリハンドク)という物忘れがひどく、自分の名前すら憶えていられない人物がいました。
あまりの物忘れのひどさに、お釈迦様は周梨槃特に自分の名前を書いた名札を首から下げておくようにいいました。
物忘れはひどいものの、与えられた役割は非常に熱心に取り組み、人一倍まじめであった周梨槃特は、誰よりも早く悟りの境地に達したとそうです。
周梨槃特が亡くなると、お墓から何やら見慣れぬ草が生えてきました。これが「茗荷」で、周梨槃特のお墓から生えてきたものであることから、この植物(茗荷)を食べると物忘れがひどくなるとの逸話が生まれました。
【今日は何の日】
広島平和記念日,広島原爆忌
1945年8月6日午前8時15分、米軍のB29爆撃機エノラ・ゲイが、広島市上空で世界初の原子爆弾リトルボーイを投下した。市街は壊滅し約14万人の死者を出した。
World Wide Webの日
1991年のこの日、計算機科学者ティム・バーナーズ=リーが、自身が開発したWorld Wide Web(WWW)に関する情報をインターネット上に公開し、世界初のWebサイトhttp://info.cern.chを開設した。
雨水の日
東京都墨田区が1995年に制定。
墨田区では、区役所・両国国技館・江戸東京博物館等区内の公共施設で雨水を有効利用している。1994(平成6)年のこの日、墨田区で市民主体による世界初の雨水利用国際会議が開かれたことに因み、翌年の雨水フェアでこの日を「雨水の日」とすることを宣言した。
太陽熱発電の日
1981年のこの日、香川県三豊郡仁尾町の電源開発・仁尾太陽熱試験発電所で世界初の太陽熱発電が行われた。
しかし、この場所は日照量が少なく、最大出力が2000kWと、実用になる程度の大規模な発電ができなかったため、この発電所での実験は1985年に中止された。
ハムの日
「ハ(8)ム(6)」の語呂合せ。
なお、「日本ハム・ソーセージ工業協同組合が制定」という情報が出回っているが、そのような事実はない。
ハンサムの日
2008年11月公開の映画『ハンサム★スーツ』のPRのため、配給会社のアスミック・エースが制定。
「ハ(8)ンサム(6)」の語呂合せ。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)