2024.7.15一日一季語 登山(とざん) 【夏―生活―晩夏】

 

臍固め山頂仰ぐ登山口     荻巣純子

 

6月30日、富士山の山梨県側で、7月1日山開きとなるのを前に、ふもとの富士吉田市の神社で登山の安全を願う神事などが行われた。富士山の山開きは吉田ルートが最も早く7月1日に開山。須走・御殿場・富士宮は10日ほど遅れて開山する。

富士登山でもっとも人気のある「吉田ルート」

7月・8月のマイカー規制期間中は、麓の「富士山パーキング(旧富士北麓駐車場)」を利用し、そこからシャトルバスに乗り、標高2305メートルの富士スバルライン五合目に。八合目の山小屋には18時前には到着して、早めにねて、午前0時山頂を目指し、ご来光を拝みます。

 

 

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【傍題季語】

山登り(やまのぼり) 登山道(とざんどう《とざんだう》) 登山口(とざんぐち) 登山小屋(とざんごや) 登山宿(とざんやど) 登山杖(とざんづえ《とざんづゑ》) 登山帽(とざんぼう) 登山靴(とざんぐつ) 登山電車(とざんでんしゃ《とざんでんしや》) 登山馬(とざんうま) ケルン

 

 

【季語の説明】

山に登ることをいう。山岳信仰は「神も仏も敬う」日本人独特の宗教観の代表格として発展し、江戸時代にはこの信仰対象に一般の人が直接詣でる機会としての「登拝」が盛んに行われた。白山・立山・富士山の三山への登拝は、三禅定と言って、今で言う日本百名山踏破のような箔が付いたという。信仰登山は明治新政府の宗教政策により衰退した。しかし、出羽三山や御嶽山、石鎚山など今尚講が存在し、登拝が行われている。現在はスポーツや趣味としての登山が主流。四季を通じて登山は行なわれるが、各地で山開きが行なわれる夏が本格的なシーズン。

日本の近代登山の先駆者はイギリス人宣教師のウェストンで、長野県上高地に記念碑が立つ。

 

 

【例句】

余白ある遭難碑ある登山口   小池星児

青春を履き古したる登山靴   坂本玲子

登山小屋落書ノート置かれあり 木暮剛平

づかと来てどかと坐りぬ登山宿 藤田満枝

登山帽四つ足となり岩場攀づ  藤原照子

 

 

【由来】

日本において、宗教目的以外で記録される著名な登山といえば、安土桃山時代、1584年(天正12年)12月の佐々成政による「さらさら越え」(北アルプス越え)である。しかも、これは比較的容易な無積雪期ではなく、冬季の積雪期に敢行されたという点でも注目されている。ルートは、立山温泉-ザラ(佐良)峠-平の渡し(黒部川)-針ノ木峠-籠川(かごかわ)の経路が有力視されているが、確証はない。立山の一の越-御山谷ルート、別山-内蔵助谷ルートをとったという説もある。

ザラ峠とは安房峠(古安房峠)のことを指す、佐々成政は安房峠を越える鎌倉街道を通って越中富山-遠江浜松を往復したのだ、という説もある

 

 

今日は何の日

海の日

1876年(明治9年)の7月20日、明治天皇が東北巡行を終え、船で横浜に着いたことから設けられた「海の記念日」。その後、1996年(平成8年)に「海の日」として国民の祝日になるが、2003年(平成15年)からは祝日法の改正により7月の第3月曜日となっている。「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」がその趣旨。

 

盆,盂蘭盆会

祖先の霊を供養する行事。胡瓜や茄子で牛や馬の形を作りお供えする。

月遅れの8月15日や旧暦7月15日に行う地方もある。

 

中元

半年生存の無事を祝い、祖先の霊を供養する日。

元々は正月15日の上元、7月15日を中元、10月15日の下元をあわせて「三元」とする道教の習慣で、中国仏教ではこの日に祖霊を供養する「盂蘭盆会」を行った。日本では江戸時代から商い先やお世話になった人等に贈り物をするようになった。

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)