2021.3.22 一日一季語 花の雨(はなのあめ)【春―植物―仲春】
人形を叱る子供や花の雨 岡田史乃
3月21日は全国的に雨。今年は桜の開花宣言が全国的に早く、今日の天気は花の雨となった。花の雨で思い出したのがこの句。
岡田史乃氏は、「篠」(すず)創刊・主宰。2019年3月23日没。
四ッ谷にあるカトリック麹町聖イグナチオ教会での通夜は4月1日だった。
JR飯田橋駅から四ツ谷駅までの沿線に約2kmにわたって続く満開の桜並木。
通夜当日は付近の入学式がおこなれたり、まずまずの天気でした。しかし、故人を偲ぶかのように、夜になると教会は花の雨に包まれていました。喪主であり、「篠」主宰を継承した、長女の俳人辻村麻乃氏をみる母親の優しい雰囲気を感じる一句です。
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2020,2,26 伊豆稲取 河津桜
【傍題季語・関連季語】
菜種梅雨(なたねづゆ)、春の長雨(はるのながあめ)
桜雨(さくらあめ)
*2021.4.1 四ッ谷
【季語の説明】
「花の雨」は桜のころの雨、3月下旬から4月下旬に美しい桜にかかる雨のことを「花の雨」と呼びます
乾燥した冬の季節から一転し、春にむけて空気が潤い、一雨ごとに木の芽、花の芽がふくらみ生き物達が活発に動き出します。
さらに、ちょうど菜の花が咲くころに曇りや雨の日が続くことがありますが、このような雨を「菜種梅雨」や「春の長雨」と言います。
菜の花の咲くころしとしとと降り続く雨。春になって降り続く雨のことになります。
【例句】
ひと日居て初島を見ざり花の雨 瀧春一
口細めささやき羅漢花の雨 石寒太
流し目のやうな筆跡花の雨 ことり
悪人のままに往生花の雨 大高芭瑠子
み吉野の逢魔が時や花の雨 佐土井智津子
【花散らしの雨】
天気予報で桜の花びらを散らす雨のことを、天気予報士が『花散らし』の雨ということがあります。
しかし、花散らし、この意味はちょと違う使い方をされていたようです。
花散らし
三月三日の節供の翌日に野山に遊びに出ること。
【桜を使った表現】
桜吹雪・・・桜の花びらが乱れ散るさま
零れ桜・・・散る桜
花嵐・・・・桜の花が風のように散ること
桜雨・・・・桜の花が咲くころの雨
花時雨(はなしぐれ)・・・・桜の花が咲くころの冷たい雨
花の雫・・・花から滴り落ちる雫
花筏(いかだ)・・・散った花びらが水面に浮かんで漂う様子
花莚(はなむしろ)・・・花の散り敷いたさま
花冷え・・・桜が咲く頃に冷え込むこと
花曇り・・・桜の咲く頃、空が薄曇りであること
花あかり・・・群れ咲く桜の花のために、夜でも灯りをともしたように明るく見えるころ
【今日は何の日】
放送記念日
日本放送協会(NHK)が1943(昭和18)年に制定。
1925(大正14)年のこの日、社団法人東京放送局(現在のNHK東京放送局)が日本初のラジオ仮放送を始めた。
東京・芝浦の東京高等工芸学校に仮スタジオを設け、午前9時30分、京田武男アナウンサーの「アー、アー、アー、聞こえますか。JOAK、JOAK、こちらは東京放送であります。こんにち只今より放送を開始致します」という第一声が放送された。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)