数学の美しさを観照する~ゴールドバッハの問題~ | 数楽者のボヤキ・ツブヤキ・ササヤキ-中学 数学 道徳 Mathematics Puzzles-

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藤原 正彦, 小川 洋子
世にも美しい数学入門

 

『世にも美しい数学入門』 藤原正彦/小川洋子 ちくまプリマー新書011

 

 藤原正彦氏は,現在お茶の水女子大学の理学部教授をしておられ数学者であり,エッセイストとしても有名な方です。この方のお父様は作家の新田次郎氏なのです。また,小川洋子氏は,小説『博士の愛した数式』(新潮社)を書かれた方です。91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞されています。

このお二人が資生堂のトークショー「ワードフライディ」で対談した内容をふくらませて書籍化したものだということです。お二人の対談形式で書かれているこの本では,数学の美しさが中心テーマになっています。数学は,芸術や自然と同じようにひとに感動を与えるものであることを教えてくれます。

むずかしい数式の話が数学者と文学者の対談形式で語られているためか,抵抗なく頭の中に「スッ」と入ってくる感じでした。また,有名な数学者のエピソードも感動します。

わたしが一番興味を抱いたのは,「ゴールドバッハの問題」です。「ゴールドバッハの問題」というのは,「6以上の偶数はすべて,2つの素数の和で表すことができる。」というものです。

ちなみに「素数」というのは,2,3,5,7,11,13,17,19,・・・のように1とその数以外に約数をもたない数のことです。

この問題は,世界中の天才たちがよってたかって挑戦しても誰一人として証明できないものなのだそうです。すでに予想されてから300年近くにもなる数学史上の未解決問題なのだそうです。

6=3+3
8=3+5
10=3+7=5+5
12=5+7
14=7+7=3+11

 

 これらは,この本に紹介されている「ゴールドバッハの問題」が正しい例です。

 

 私もこの続きを考えてみました。

 

16=5+11
18=7+11=5+13
20=7+13=3+17
22=3+19=5+17
24=5+19=11+13
26=7+19=3+13
28=11+17
30=13+17=7+23

 

 この調子では,無限にある偶数を確かめるのに無限の時間が必要になります。やはりここは文字式を使って証明することになるのでしょうか?

ゴールドバッハというひとは,300年近く前に一体いくつの偶数について調べたのでしょう。コンピュータもない時代です。実生活に何も役立ちそうにないのに,このような素数がもつ性質の不思議さ,美しさに気づき,それを時間を忘れて延々と追求していた人がいたということに感動します。真理を追究し続けた数学者ゴールドバッハさんに親しみを覚えます。

『ゴールドバッハの問題』関連リンク

ゴールドバッハの予想 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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