まさむね太郎のまさむね太郎的こころ -4ページ目

2年

あの震災から2年がたった。

僕は、被災地に住んでいるが被災民ではない。我が家はさほどの被害を受けなかったし、
親戚に犠牲者はいない。
それでも、報道で色々な場面を観ると涙が溢れる。

あの日、何が起きていたのか?
少しずつ書いてみたいと思う。

2011年3月11日午後2時46分。
未曾有の大地震が襲った。
オフィスにいた僕は、恐怖の中にあった。

電気は消えたが、しばらくして非常用電源が働き電気は点いた。
対策本部ができて、次々に指示がとぶ。

帰宅の許可が出たのは22時過ぎだったろうか。
外へ出ると、辺りは真っ暗。真の闇。仙台市中心部に車の姿はない。
歩くしかなさそうだ。そう決心して歩き出した。
ほどなくして、タクシーを拾う事ができてタクシーで自宅へ向かう。
闇である。
交通信号は消え、周囲の民家も灯りが消えている。
奇妙な静寂が街全体を覆っている。
明日から、何が始まるのだろうか?

<つづく>

いざ志願 おひとりさま自衛隊(最近読んだ本)

昼休みに、会社近くの本屋を見て歩く。
で、面白そうな本を探す訳だが、最近はジャケ買いが多くなった。

最近読んだ本ですが、「いざ志願、おひとりさな自衛隊」岡田真理著 文春文庫

「自衛隊」というと、目を吊り上げて「憲法違反!!」とか「国防軍にしろ」とか
イデオロギーの立場で色々とあるわけであります。
そういった論争はさておき、「おくな!!」というかたはどうぞこの先お読みにならないでください。
おまえは右翼か?というようなお問い合わせには一切応じませんので悪しからず。

さて、僕は宮城県に住んでいる訳でありますが、東日本大震災における自衛隊の皆さんの活動には
正直心から感謝しています。
あのころ、そこかしこに自衛隊の皆さんの車両や隊員の皆さんをお見かけし、本当に心強かったのを
今でも思い出します。

この本の著者は、女性です。それもうら若い女性です。
ひょんなことから、「予備自衛官」の募集に応募し計50日間の訓練を経て予備自衛官になるまでの
体験談であります。
予備自衛官とは、常備の自衛官とは違い一旦非常事態が起きた際に招集される方々であります。
しかし、訓練はきちっとなさっている訳であります。
普通一般人が知る由もない自衛隊内部での訓練の模様などが、体験者でなければわからないことが
書いてあります。
読み出すと面白くて止められません。

自衛隊の存在意義とは?
国防とは?
様々な議論がある中で、経験者の言は重いです。
著者は言います。
「非武装中立を言う政党の本部にも警備員はいる」
おじさん、目からうろこが落ちました。

そして、酔った勢いで予備自衛官に志願してしまった著者は、戦争はいやだけれど、国防は必要だ
という想いを強くします。
国防、国を守るとはなにか?
旧軍は国体という言葉を使いました。
国体とは天皇でありました。
では、現代の国防とは?
愛する故郷、愛する人々、を守る事に他なりません。
どうか、非武装中立論のお立場の方にも是非読んでいただきたい。

文庫スペシャルとして追加されている311以降の市民の自衛隊を見る目が
好意的に変わったというのは実感でしょう。
あの時本当に自衛隊の皆さんをお見かけする事が多かった。そして、頼もしい想いを抱きました。

この本に出会えたことは、今年の収穫になるでしょう。

最近読んだ本

オヤジ・エイジ・ロックンロール(熊谷達也著、実業之日本社文庫)

昼休みに会社近くの書店を一回りするのが習慣になっている。週刊誌の最新号をパラパラとめくり、信頼する作家の連載エッセーを楽しみにしている。週刊誌の発売日以外は、音楽雑誌やパソコン関連の雑誌を眺める。それでも、時間がある時は新刊本や文庫のコーナーを巡ることもある。
この文庫本は、カバーのイラストに目を奪われた。眼鏡(おそらくは老眼鏡)をかけた初老の男がエレキギターを抱えて上目遣いにこちらを見ている。
これは?おれか?
そんな考えも一瞬頭に浮かぶ、で題名が「オヤジ・エイジ・ロックンロール」ときた。
思わず手にとって、数ページめくってみた。
舞台は、仙台である。それも仙台駅前の書店から始まる。その書店は上層階にあって、数階下に楽器店がある。「知ってるよ、これ!」グイと引き込まれるのを感じた。
さらに主人公は仙台市東一番町の書店へ行く。「これは、あそこだ」
その書店の近くにも楽器店があり、そこの地下にはライブハウスがあり、練習スタジオもある。
「あぁあ、これはあそこ。しかも、会社のすぐ近所でしょっちゅう前を通るし・・・」
気がついたら、レジに並んでいた。

いやいやいや、この楽器屋はあそこだ、このロック喫茶はあそこだ、と
どんどん引きこまれる。

主人公は、数十年ぶりにエレキギターを購入し、成り行きでバンド活動まで始めてしまう。
そんな主人公が、現在のデジタル化されたリズムマシーン等に戸惑いながら、マスターしていく様は、なんとなく身につまされる。

あの頃、つまりは僕がまだ若かった時代だが、地方都市でアマチュアでバンドに限らず音楽活動をするということは、それなりに大変だった。そういうノスタルジーから脱して、この小説が普遍性を持ったのは、主人公の奥に流れる音楽へのピュアな想いと情熱だろう。

いま、20代で音楽活動をしている若い方々にも是非読んで欲しい一冊である。

http://www.amazon.co.jp/オヤジ・エイジ・ロックンロール-実業之日本社文庫-熊谷-達也/dp/4408551023/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1357649779&sr=8-1