日本のオードリー・タン:都知事選候補のAIエンジニアはいいね/デジタル大臣登用を希望します | 成田雅美のBLOG

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日本のオードリー・タン:都知事選候補のAIエンジニアはいいね/デジタル大臣登用を希望します

こんな人がいたとは、知りませんでした。新しい人の出現を喜ぶと同時に、自分が徐々に古い世代になりつつあることを感じます。

 

安野貴博氏は、1990年生まれ、東京都出身。開成中学・高校、東京大学工学部卒業。米系コンサルティング会社勤務を経て独立、AI企業を起業。AIエンジニア、実業家であると同時に、SF小説家でもあるという人物。

外見は女性的で、トランスジェンダーに見えるが、既婚で、東大卒の編集者の妻がいるとのこと。

オードリー・タンが絶賛するように、安野氏の政治的スタンスは、私も共感、支持できます。

例えば、「AIゆりこ」について、安野氏は「AIゆりこは、小池氏の信条を一方的に語っているに過ぎない。しかし、テクノロジーを使えば、双方向性を担保できる。つまり、都民の声を、文字通り聞いて、反映することができる」と。

私は、彼の発言を読んで、蓮舫氏の発言を思い出しました。蓮舫氏も「小池都政がトップダウンで、いきなり決定を知らされる。そうではなく、私はボトムアップで、都民の声を反映させていく都政にしたい」と語っていました。

 

両者とも同じ政治的スタンスで、その通りだと思います。都のあり方、国のあり方を決めるのは、都民、国民です。独裁ではなく民主主義ですから。

今回、安野氏の都知事当選は難しいので、いずれ、タンのように、デジタル大臣に任命されることを希望します。彼に限らず、デジタル庁は、官僚より能力の高い専門家が大臣になる必要があると思います。

 

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オードリー・タンが都知事選候補で注目している「天才AIエンジニア」「彼の考えるデジタル民主主義がすごく好きだ」
クーリエ・ジャポン 2024.6.17


9歳で独学でプログラミングを学ぶ

6月20日に告示日を迎える東京都知事選。そこで、ひとりの天才エンジニアの出馬が注目を集めている。

名前は安野貴博。6月6日の記者会見で立候補の意を表明すると、各界から反響が続出し、一躍注目候補に躍り出た。

なかでも熱いメッセージを寄せたのが、台湾の元デジタル担当大臣、オードリー・タンだ。

タンは2016年、35歳の若さで入閣したエンジニア出身の天才閣僚。タンのデジタル政策と強いリーダーシップで、台湾は見事なコロナ対応をおこない、「日本にオードリー・タンがいればなあ」と嘆く声が多く挙がったことは記憶に新しい。

タンは出馬の構想を語る安野に「彼の考えるデジタル民主主義がすごく好きだ。安野氏は『私たちは良い方向に変われる』と言っている」と大きな期待を寄せた。

デジタル民主主義とは、政治や行政をデジタル技術の力でより身近な存在にするとともに、多様でより良い社会を目指す思想である、と安野は解説する。

「私が主張している新しい政治のやり方は、私に能力があるから優れているのではありません。

 

『みんなで考え、みんなで決める』から優れているのです。それが、これからの世界に必要なデジタル民主主義のあり方です。

 

私自身が育った東京という都市は、もっと良い方向に変われる都市だと思っています」

オードリー・タン同様に、安野もまたエンジニア業界で「天才」だと周りから一目置かれてきた。しかし、本人は会社員の父とパートとして働く母という、いわゆる「ふつうの家庭」で育った。

 

9歳でパソコンに出逢った安野は、独学でプログラミングを始める。名門・開成中学校に進学後は、17歳にして全自動の「画像命名サービス」を開発し、話題を呼んだ。

 

現役で東京大学に入学し、人工知能研究のエキスパートが集まる松尾豊研究室で学びながら、国会の議事録のデータ解析サービスや、クラウドソーシングのレビューシステムを独力でリリースした。

その後、外資系コンサルティング会社ボストンコンサルティンググループ(BCG)を経て、AIスタートアップ企業を2社創業。

 

経営者兼エンジニアとして手腕を発揮する一方で、2022年には「ハヤカワSFコンテスト」で優秀賞を受賞し作家デビュー。

 

同時期に、世界一の美大であるロンドンの王立美術院で準修士も取得し、AIを使ったアーティストとしても活動している。

圧倒的エリートの彼だが、なぜ今回都政を目指したのだろうか。その背景には安野が抱える「危機感」あったという。

「いま、私たちは岐路に立たされています。テクノロジーには『いい使い方』と『悪い使い方』があります。

 

テクノロジーをうまく使えば、社会がより発展していくのに、フェイクニュースなどの『悪い使い方』のほうがはびこっている。

 

政治の世界でも同じです。リーダーがテクノロジーを理解し、正しく使いこなせなければ、この国の未来は暗い」

しかし、テクノロジーの力を活用すれば、東京はもっと豊かで住みよい街になるのだと安野は力説する。

「テクノロジーは、本来は人が苦手なことを助けるためにあるのです。視力が悪い人にはメガネを、計算が得意でない人には電卓を。

 

同じように、AIをはじめとするテクノロジーが、誰もが簡単に使えるようにきちんと普及すれば、一人ひとりの“苦手”に対応することができる」

選挙をオープンソースに

一方で、現職の小池都知事もテクノロジー支援、スタートアップ支援を公約に掲げてきた。

 

たとえば6月13日には、自身のXアカウントで、生成AIで作成したという「AIゆりこ」の動画が投稿された。小池都知事にそっくりのAIが、これまでの都政の取り組みを紹介している。


安野に「AIゆりこ」について尋ねると、都知事みずからがAIの可能性をアピールする取り組みには一定の評価をしつつも、こんな答えが返ってきた。

「AIゆりこは、小池氏の信条を一方的に語っているにすぎません。これは“ブロードキャスティング”であって、テレビや新聞などの従来のメディアと大きな違いがありません。

 

テクノロジーを使えば、双方向性─これを科学技術の世界では“ブロードリスニング”と呼びます─を担保できるのです。つまり、都民の皆さんの声を、文字通り聞いて、反映することができるのです」

安野がおもむろにMacBookを取り出すと、画面の中には彼にそっくりなアバターがいた。「経済政策について教えて」と打ち込むと、しっかりと答えてくれる。

「私の政策や政治信条をAIで学習させています。どんな質問でも答えられますし、要望も受け付けられます。これで、選挙期間中は、24時間いつでもわたしと政策についてお話しすることができます」

マニフェストづくりも画期的だ。エンジニア向けのシステム「GitHub」を用いて、GitHubのアカウントさえあれば、政策への「変更提案」を送ることができるようにした。

これらのキャンペーンに使ったプログラムは、すべて選挙後にオープンソースで無料で公開する予定だ。

 

今回の安野の出馬をきっかけに、出馬と選挙活動のノウハウが誰でも使えるようになる。まさに「選挙のオープンソース化」というわけだ。

「今後、あらゆる選挙で、どんな候補者でも有権者とともにマニフェストを改善することができるようになります。こうして、私は選挙のやり方それ自体をアップデートさせたいのです」

今回の選挙は、これまでのしがらみ政治を打破する一歩になるはずだと、安野は強調する。

「問題の本質は、政治における投票や政策形成のシステムが100年も前につくられたもので、アップデートが必要だということです。

 

皆さんが使っているスマホはどんどん進化していっているのに、政治の世界だけがアナログなままでいる。

 

もちろん、アナログのよさも理解したうえで、テクノロジーを導入することで、もっと政治をアップデートできると思うのです」

初出馬ながら“注目株”となった安野。「オードリー・タンがいる台湾がうらやましい」─そんな思いは、もはや過去のものになるかもしれない。

 

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