選択的夫婦別姓の実現 | 成田雅美のBLOG

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選択的夫婦別姓の実現:

反対する自民党議員への落選運動の継続が必要

 

今まで当ブログで、選択的夫婦別姓について何度も書いてきました(代表的なものを当記事の最後に添付しました)。

 

今回は「総集編」として、あらためて自分の意見と経験を率直に書くことにします。珍しく長文になりました:

 

最初に確認しておきたいのが、問題は、結婚による改姓それ自体ではなく、それが「女性に強制されている」ことです。

 

「強制」は重大な人権侵害です。ゆえに、改姓=同姓強制は、世界で日本だけであり、国連から、法改正するよう何度も勧告を受けています。恥ずべき事態です。

 

国内世論も徐々に変わり、今や7~8割の国民が、選択的別姓に賛成しています。にもかかわらず、未だに実現しないのは、自民党の「自称」保守系議員が反対し、阻害要因になっているからです。

 

私は、自民党でも、選択的別姓に賛成する議員は支持できますが、反対する議員は支持できないです。

選択的別姓に反対する、自民党議員の多くが、統一教会と深い関係にあることが、安倍銃撃死事件をきっかけに明らかになりました。

 

そのような家父長制カルト議員は、保守のフリをした国賊なので、選挙で落選して、政界を去るべきです。もともと実力や人望が無くて自力で当選できず、宗教右派にすがった連中なので、いないほうがいい。

 

選択的別姓を望む有権者にできることは、選挙の際、選択的別姓に反対する自民党議員の対立候補の中で、最も有力な対立候補に投票することです。

別姓になると「家族の絆」が失われるという発想は、その人自身の精神の脆弱さ、家族の絆の弱さの現われか、家父長制による搾取を維持したい言い訳だと感じます。

 

形式にこだわる人ほど、中身が空っぽで充実していないのは、人間本性の現象の一つ。妻に嫌われている夫、倦怠して冷めきった仮面夫婦なのでしょう。

 

また、ただの平民の男に過ぎないのに、妻が自分の姓に変えることを当たり前と考えるのは、傲慢で厚かましいと言わざるを得ない(もっとも、ただの男に権威を与えるのが家父長制ですが)。

 

だからこそ、今では、国民の7~8割が、選択的別姓に賛成しているのです。

 

そもそも、選択的別姓では、同姓も別姓も認められるのですから、自分達が同姓にしたければそうすればいいだけ。様々な夫婦や家族がある中で、自分の価値観を、他人に押しつけるべきではない。

 

あと、国際結婚では別姓が認められるのに、日本国籍同士だと認められないのは、非合理的でバカげている。

 

こんなおかしな制度に固執しているのは、世界で日本だけ。正確に言うと、自民党の「自称」保守派だけ。恥ずかしいことです。

 

繰り返しますが、問題は、結婚による改姓それ自体ではなく、それが「強制」されている点にあります。


もし、改姓=同姓強制が嫌だと、心から強く思う人がいたら、私のように、最初から入籍しないことをお勧めしたいです。

 

独身同士で長年のパートナーがいるのに結婚しないと、親や周囲が「なぜ結婚しないのか」と、うるさくて大変ですけどね。そのうち誰も何も言わなくなりました。

 

昔も今も、私は入籍しなくて良かったと思っています。おかげで、外国や公的書類では全く通用しない「通称使用」という中途半端な制度によって生じるトラブルにも関わらずに済んでいます。

 

こういう自分は少数派、変わり者、レアなケースと認識していましたが、最近はそうでもないみたいです。

 

入籍しない人、異性間パートナーシップ制度を利用する人や希望する人が増えているとのこと。日本社会は、私が思っている以上に、急速に変化しているようです。

 

別姓の運動を頑張っている人々のことは、もちろん応援していますが、彼女たちの訴えが重みを持たない理由の一つは、彼女たちが結婚していることです。

 

改姓=同姓強制に反対と訴えながら、その制度に自ら従っている。これでは言行不一致、説得力がありません。日本女性の弱さだと思います。率直に書きますが。

 

下記は、この問題に関する重要な記事として私が選んだ、青野義久氏、野田聖子衆院議員、浜田靖一衆院議員(ハマコー氏の息子だと最近知りました)の記事です。

 

野田聖子氏の指摘「日本では国会議員のほとんどが男性なので、男性が困っていることは法制化が早く進み、女性が困っていることは法制化が進まない」は、極めて重要です。

 

最近では、共同親権が挙げられます。女性の権利拡大になる選択的別姓は全く進まないのに、男性の権利拡大になる共同親権は強引に拙速に進められている。不公平で良くない事態だと思います。

 

日本で女性議員が少ないことが、なぜ問題で良くないことなのか、よくわかります。最高裁の裁判官など、司法の場も同様です。

 

全国民の代表であるはずの国会議員が「(妻が専業主婦の)中高年男性」としての自分の狭い視野からしか、ものが見られないのは、政治家失格と言わざるを得ない。最高裁の裁判官も同様です。

 

この状況を変えるには、どうすれば良いのか。

 

選挙の際、選択的別姓に反対する自民党議員の対立候補の中で、最も有力な対立候補に投票すること。比例では自民党に投票せず、他の政党に投票すること。これらの行動を継続すること。

 

そして、最高裁判所の国民審査の際、改姓=同姓強制を合憲とする裁判官を罷免するべく、×印をつけて投票することです。

 

シンプルで基本的な行動ですが、多くの有権者が、このシンプルで基本的な行動を実践すれば、状況は変わるはずだと信じています。

 

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サイボウズ代表取締役社長・青野慶久氏「日本にはびこる忖度精神を変えないといけない」
青野慶久 日刊ゲンダイ 2023/09/11 


政治や社会が抱える問題をめぐる歯に衣着せぬ発言が注目されているのがこの人。時にツイッター(現X)が炎上することもあるが、発信を続けている。

 

いわく「声を上げること」が重要だという。東証プライム上場のソフトウエア開発会社社長の視点から、問題続出のマイナンバーカード、保守派が反対する選択的夫婦別姓、同性婚の問題を語ってもらった。(中略)

夫婦別姓も同性婚も「幸せ」を増やすため

──青野さんはマイナカードだけでなく、選択的夫婦別姓や同性婚など、社会的な問題について積極的に発信しています。

理由はすごくシンプルです。姓を変えたくないけれど結婚したい人が世の中にいるから、選択肢をつくればいい。

 

同性婚についても、困っている人がいるのだから、制度をつくれば幸せになる人が増えるじゃないですか。

 

でも、なぜかそれを妨害する人たちがいる。幸せな国をつくりたくないのか、あるいは皆に歯を食いしばらせたいのかと思ってしまいます(笑)。

──保守系の国会議員が強硬に反対しています。制度導入に立ちはだかる国会議員の落選運動を「ヤシノミ作戦」と銘打って展開していますね。

以前、夫婦別姓での婚姻届を受理しない戸籍法は憲法14条の「法の下の平等」に反するとして、国を提訴しました。

 

この時、メディアに取り上げていただいたこともあって、世論が動いてきた実感があった。

 

いまや夫婦別姓に約7割が賛成しています。世論調査でこれくらいの割合になったら、国会は制度設計に動くと思っていたんですよ。彼らは票を集めてナンボですから。ところが、これが動かない。

 

世論のうねりが生まれても動きがないなら、もうやれることは落選運動しかないと思ったのです。有権者の声に耳を傾けない人が議員をやっているから制度が進まないわけですから。

──手応えはどうですか?

いや~、なかなか落ちないですねぇ。選挙区で落選しても比例復活当選とかで再選してきたりするので。ヤシノミがせっかく落ちたのにバウンドして戻ってきたわ、ということもありますし(笑)。

 

でも、政治家から「プレッシャーになっている」という話は聞きました。

──効果アリですね。

そうですね。ただ、根本的には国民一人一人の意識の問題だと思うんです。どの問題も「政治家が悪い」で片付けようとしてはいけない。

 

僕たちはダメな政治家を落選させる権利を持っているわけですから、これを行使しようぜということ。

 

行使しきれていないのなら、僕たち国民に責任がある。ある意味、国民の自立心が問われているのだと思います。

「失われた30年」を引きずる諦めムード

──「どうせ何も変わらない」という諦めが政治への無関心や低投票率につながっていると指摘されています。

無力感が、この30年間の日本の停滞を生んだ原因なのでしょうね。

 

僕も就職してからずっと「失われた30年」で賃金が上がらない日本を見てきました。漂っているのは「結局、何も変わらないよね」という諦めムードだと思います。

──「失われた30年」も、国民一人一人の意識の問題だと。

例えば、マイナカードの問題でも、もっと多くの人が声を上げたらいいと思うんです。ガンガン訴訟が起こったり、いろんな人がさまざまな角度から叩きまくるという状況になっていいと思う。

 

でも、マイナカードをディスっている経営者って僕ぐらいしかいない。全国民が忖度しちゃってる感じがします。それでは何も変わらないですよ。

──いろんな人がいろんな場面で議論することで世の中は変わっていくのかもしれないですね。

多くの意見が出てくれば、問題の構造をより多様な視点で捉えられる。問題を正しく見ることができますよね。

 

例えば、マイナカードと健康保険証を一体化する問題なら、「おばあちゃんがパスワードを忘れて困っています」とか「顔認証がうまくいかなくて行列ができちゃいました」とか、

 

現場の生の声を出し合えば、問題の本質が見えてくる。解決策も正しく判断できるでしょう。でも、我慢して黙っていたら分からない。政府もうまくいっていると勘違いするかもしれませんよね。

──議論を重ねることでベストな選択に近づけるわけですね。

少なくとも、間違いを正しく改善できるようになるでしょう。人間はミスするものですから、間違ったら「ごめん!」と言ってやり直せばいい。

 

失敗に寛容な雰囲気をつくっていくことも、日本には必要だと思いますね。その代わり、いろんな人の意見を聞くと。

──失敗したら「負け組」で、二度と這い上がれないのが日本社会の現状ですね。

僕らは米国でもビジネスしているのですが、あちらはスゴイですよ。失敗に寛容な社会だから、失敗から切り替えるスピードの速さたるや。だから、ベンチャー企業がどんどん出てきています。日本にはびこる忖度精神を変えないといけないと思いますね。(聞き手=小幡元太)

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女性だけが苗字を変える社会はいつまで続くのか……野田聖子が「あと少しで大きな変化がくる」と断言するワケ
野田聖子 PRESIDENT Online 2023/09/12


いわゆる「選択的夫婦別姓制度」の法制化が進まない。

 

夫婦同姓で不利益を被る働く女性からは、選択的夫婦別姓を望む声が多いにもかかわらず、いまだに法制化しないのはなぜか。

 

夫婦別姓の議員立法に奔走する自民党衆議院議員の野田聖子氏に聞いた。

指針が示されて27年、なぜ実現しないのか

日本の男女平等は遅々として進まず、先進国で最下位だと言われ続けています。

 

私が訴え続けている選択的夫婦別姓についてもそう。何年かかっているかご存じですか?

 

27年です。27年も状況は変わっていません。ですがその状況も、あと少しで変わると私は見ています。自民党が変わりつつあります。

それについては、後でお話しするとして、選択的夫婦別姓がなぜ必要なのか、必要なのになぜ実現にこんなにも時間がかかっているのか、そこからお話ししていきましょう。

そもそも日本では民法第750条によって、婚姻の際には、男性か女性かどちらかの姓を名乗ることが定められています。

 

世界広しといえども、夫婦同姓が義務づけられているのは日本しかありません。

1970年代から、国連の女性差別撤廃委員会から日本の夫婦同姓の強制は差別的であり、法改正すべきだという勧告をたびたび受けてきました。

 

そこで1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓制度を含む「民法の一部を改正する法律案要綱」を答申しました。

 

しかし自民党の保守層からの反対があったため、国会提出は見送られました。そこから27年。いまだに国会で議論すらできていません。

法律が早くつくれる2つの条件


私自身、国会議員という法律をつくる仕事に30年間携わっていますが、法律が早くできるには条件があると思っています。大きくは2つ。

一つは、何か事件や事故による大きな苦しみや悲しみを、国民が目の当たりにしたとき。世の中の関心が高まり、その勢いで法案成立に向けて進んでいくパターンです。

 

もう一つは、男性にとって大切だと思われること。たとえば、これは法律ではありませんが、禁煙外来やメタボ外来などの保険は、あっという間に適用されましたが、不妊治療の保険適用は、なかなか進みませんでした。

 

衆議院議員の9割、参議院議員の7割半ばが男性議員なので、やはり男性が自分ごととして、その痛みなり苛立ちなりを受け止められるものは進んでいくんです。

夫婦同姓で世の中のほとんどの男性は困っていない


夫婦同姓で、痛みや苛立ちを受けるのは圧倒的に女性です。夫婦のほとんどが、夫の姓を選ぶのが現状だからです。

女性は改姓によって、銀行口座や公共機関などでの名義変更の手間を負うし、通称の旧姓と戸籍上の姓の二重管理といった煩わしさを強いられる。

 

結婚や離婚などのプライベートをわざわざ公にすることにもなる。女性ばかりが大変な不利益を被っています。

他にも国会議員に立候補する際の届出書類に書く名前は、戸籍上の氏名です。選挙で有権者の方に書いてもらう名前と、議員としてポストに就くときの名前が違う。「誰、この人?」と思いますし、私自身それがいいとは思っていません。

我が家の場合、夫には仕方なく野田姓になってもらっていますが、「早く別姓にしてほしい」と言われています。私の夫は困っている当事者ですが、

 

夫婦同姓は、男性議員も含めて世の中のほとんどの男性は困っていない。だからその痛みや苛立ちを理解できず、法制化が進まないということです。

「家族の一体感が失われる」と反対する自民党保守層


そういった男性議員の無関心に加えて、自民党の保守層の根強い反対も、法制化が進まない大きな理由の一つです。

 

反対している議員は、1996年の民法改正案の答申から、ずっと反対。何をやっても反対。交渉の余地がありません。

彼らが挙げる理由の多くは「家族の一体感が失われる」というものです。夫婦と子どもが同じ姓を名乗ることで、家族の絆や連帯感が生まれるという、日本に昔からある保守的な価値観からきているものですが、

 

現在結婚件数の3組に1組の夫婦は離婚している時代です。夫婦同姓だから家族の一体感が生まれるというものでもないですよね。

 

また、男性議員だけでなく、ほんのわずかですが、正面切って夫婦別姓に反対する女性議員もいます。その人たちによって「いや、女性たちは困っていない」というミスリードをされてしまうのは困ったことです。

国民も無関心


夫婦別姓に対する無関心は、議員ばかりでなく、国民も同じです。無関心というより不熱心。

また少子高齢化社会である日本では、夫婦同姓の中で生きてきて、それが常識だと思っている高齢者が多く、世論調査をすると、この厚い層の人たちによる反対意見が多く出てしまうということになります。

若い人たちのために多様な社会をつくるという発想より、自分たちが同姓で生きてきたことを否定されたくないという気持ちが強いのだと思います。

通称使用は国際社会で通用しない


最近、この折衷案として「通称使用を拡大しよう」という動きになっていますが、実はこれが法制化のブレーキになっていることも事実です。

通称使用は法律ができるまでの暫定措置のはずなのに、企業がどんどんそれを進めて広げていくと、働くという世界の中では、どんどん不都合がなくなっていく。

 

仕事をするうえで、通称使用に不自由がなくなっていくと、「このままでいいんじゃないか」という停滞感が出てくるわけです。

 

しかも今、よくないことに、通称使用を法制化しようという動きまで出ています。

 

ですが通称使用は、二重の姓を認めることになり、国際的には通用しません。通称使用はゴールではないんです。ゴールは選択的夫婦別姓の法制化です。

女性の不都合の解消は国の不都合を解消すること


選択的夫婦別姓を進め、女性の不都合を解決することは、国の不都合を解決することにもなる。

 

女性にとって生きやすい環境をつくらなければ、この国の抱えている、最も深刻で重大な少子化問題を解決することもできません。そのことに全議員、そして何より全国民に気づいていただきたいです。

2023年日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で、過去最低の結果。各国では、ジェンダー政策を進めれば国が栄えていくことを理解していますが、理解していないのは日本だけです。

 

国際社会の一員だと自負しているのであれば、国際社会の一員たる政策を進めるべきです。

コロナ禍で女性の就業者数が大幅に減少し、雇用や生活面で大変厳しい状況にある女性がたくさんいます。

 

企業の経営者の方々には、女性が男性と同様にその能力をいかんなく発揮できる環境をつくり、男女間の賃金格差などを見直していただきたいと思います。

 

女性が経済的に自立できれば、たとえ離婚してひとり親になったとしても、貧困に陥らずに済むはずです。

 

現在企業では、女性の役員登用がゼロの会社は投資されなくなるということが常識になりつつありますが、そのようなわかりやすい指標ができたらいいですよね。

誰も傷つかないのに


改めてお伝えしたいのですが、

 

別姓にするか、同姓にするかを自由に選べるようにするわけで、同姓を否定するものではありませんし、誰かを傷つける話ではありません。

 

別姓を選ぶと「子どもがかわいそう」というのが反対派の意見ですが、現在結婚件数の3組に1組は離婚していて、苗字が変わる子どもはたくさんいます。

 

逆にそういった意見は、親と苗字の違う人を差別することにつながる気がしてなりません。(中略)

自民党内に変化の兆しが見えている

これからの時代の主役は女性です。私はそれがわかっているから、明るく生きていられます。まだ可能性があるって思うんです。その兆しは、自民党の中にも見えています。

 

これまでは安倍晋三さんという保守派の支柱があり、私も含めて、みんなが安倍さんのことをリスペクトしていました。

 

安倍さんは専業主婦を大事にしていたので、夫婦同姓、配偶者控除の維持、移民反対などが、自民党の価値観になっていました。

しかし亡くなって一年が経ち、自民党の空気がだんだん変わってきているのを感じています。

 

私たち選択的夫婦別姓を望む議員も、引き続き努力していきますので、読者のみなさんも、少しずつでいいので、この制度に関心を寄せていただきたいと心から願っています。(構成=池田純子)

 

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選択的夫婦別姓「今のまま」を考え直す機会に
浜田靖一元防衛相 毎日新聞 2021年8月2日


「選択的夫婦別姓早期実現議連」の会長として選択的夫婦別姓の実現を目指している。(中略)

制度を変えることで話し合いが生まれる

 

我々が一番、大切だと考えているのは、ごく簡単に「選択的」という言葉だ。なにも強制しているわけではなく、自由に選べるようにすることに重きをおいている。

 

そして国民からは強い要求がある。であれば現実として対応していくのは私たちの仕事ではないか。選択肢を増やすことが、何かを壊すことになるとはどうしても思えない。

現在、夫婦の96%が夫の姓を選んでいる。「それが普通だ」という流れに、我々がどっぷり浸ってしまっていることも確かだ。だから、そこから踏み出して新たな制度を作ろうとすると、違和感があったり、反対があったりする。

しかし、選択的夫婦別姓という新しい制度を作ることによって夫婦の話し合いも起きるかもしれない。同姓であっても妻の側の姓を選ぶことが増えてくるかもしれない。やってみる価値はある。

「今のまま」がいつもいいとは限らない


反対派の人たちは「伝統的な家族の形が壊れる」という。しかし本当にそうなんですか、と言いたい。

 

同姓であっても「家族の一体感」が得られていない場合はいくらでもある。逆に言えば姓が異なっても家族になろうとする人もいる。

 

姓が一緒だというだけで、一体感ができるのか。むしろ姓が違っても、血がつながっていなくても一緒になろうとする努力を見るべきなのではないか。

父が亡くなった、母が亡くなったもの同士で結婚する場合もある。それでも家族になることはできる。だから「姓が異なれば、一体感がなくなる」などという主張にはとても「はい、そうです」というわけにはいかない。

新しい制度によって新しい良さも出てくる。変えることによってお互いが努力をするようになる。

 

「選択的」夫婦別姓は、今のまま姓が一緒の方がいいという人もいれば、別姓の方がいいという人もいていい。夫婦で違うこともあるだろう。そこを話し合って埋めていくことはいいことではないか。

 

困っている人がいるのに、当たり前のように「今のままでいい」と言い続けていることが、本当に良いことなのかを考えなければならない。

私は反対派の人たちを論破するつもりはない。しかし政治は問題を解決するためにある。単に双方が自分の意見だけを言って対立していても、現実にそのことで困っている人たちにとっては何の解決にもならない。

ただ、選択的夫婦別姓は政府が男女共同参画の政策のなかで進めるべきだと判断して出てきていることだ。政府がやろうとしていることを自民党が止めていることが本当にいいのか、と言いたい。

冷静に実現したい

 

私が議連で会長を引き受けたのは、矢面に立って若い人たちを守ろうという気持ちもあった。

 

野田聖子衆院議員がずっと取り組んでこられたけれども、亡くなられた野中広務先生もがんばってこられた。若い人がというけれども山中貞則先生も賛成だった。

長い間、議論してきて、実は論点は出尽くしている。私は一方の当事者になってしまっているが、最後は間に入る人が現れて決断することになる。他の政党は賛成が多いのに、自民党だけが決められないというのは、おかしな話だ。

最後はどうなるかわからない。かならずしも完全なものにはならないかもしれない。しかし、長年やってきた、慣れたものから一歩踏み出すのは大変なことだ。周知期間も長く必要になるだろう。私自身も冷静にやらなければならないと自分に言い聞かせている。

 

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