ビル・ゲイツが日本のコロナ対策を評価、パンデミック再来を予言/WHOがサル痘で緊急事態宣言 | 成田雅美のBLOG

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ビル・ゲイツが日本のコロナ対策を評価、

パンデミックの再来を予言/WHOがサル痘で緊急事態宣言

 

今日、WHOが、サル痘(monkey pox)で緊急事態宣言を出しました。

 

私事で恐縮ですが、私は、30代の時、水痘(chicken pox)に感染し、1週間、入院したことがあります。まず、激しい頭痛と高熱があり、鏡を見たら、顔と身体中に赤い発疹が出ており、ゾッとしました。病院に行って初めて、水痘だとわかり、即入院になりました。非常に苦しんだので、以来、痘(pox)系の感染症は、超怖いです。

 

現時点で、サル痘は、男性同性愛者が感染の中心とのことですが、人類史上最凶の感染症が、天然痘(small pox)であるように、痘(pox)系ウィルスの感染力と破壊力は、全く油断できないと、警戒しています。

 

ただ、自分の水痘は、跡が残ることは無かったです。ネットでは、サル痘が「跡が残る」と書かれていますが、おそらく正確ではないと思います。天然痘と混同しているのではないでしょうか。「跡が残る場合もある」というのが、正確な記述ではないでしょうか。

 

パンデミック全般についての、私の個人的見解は、地球の人口過剰が続く限り、これからも定期的に起こるのだろうと推測します。

 

 

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ビル・ゲイツが予言していたパンデミック「再び来る」への戦略は
浜田陽太郎 朝日新聞 2022年6月27日 9時00分


マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏(66)がいま、一番力を入れているのが感染症対策だ。昨年離婚した元妻のメリンダさんと財団を立ち上げ、20年以上にわたり莫大な私財を投資してきた。7年前にパンデミックの発生を「予言」していたゲイツ氏は、こう話す。

「今後20年の間に、50%の確率で再びパンデミックが来るリスクがある」

僕たちは「運がよかった」だけ


――2015年の時点で「次の数十年で1千万人以上が亡くなる災厄は、戦争ではなく感染症だ」と予測できたのはなぜですか?

 

僕たちの財団は貧しい国の感染症対策に力を入れていて、スペイン風邪から重症急性呼吸器症候群(SARS)まで、過去100年のあらゆるアウトブレーク(感染爆発)について研究している。その中で、人々が国境を越えて頻繁に移動するようになったことで、呼吸器系のウイルス感染症が瞬く間に広がることに気づいたんだ。

 

専門家を集めて「何か、パンデミックの到来を防いでいるものがあるんだろうか」って尋ねたら、「基本的には何もない」というのが答えだった。この100年の間、我々は単に運がよかっただけで、いずれ運は尽きる。だから、準備しないといけないんだと。

――7年前といえば、ちょうど、エボラ出血熱がアウトブレークしたときです。

「注目を集めるなら今だ」と思い、(米国の一流医学誌である)ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに投稿したり、TEDトークスの動画に出演したりして、準備の必要性を訴えたんだ。

――で、反応は?

動画は4千万回以上再生されたんだけど、95%は今回のパンデミックが起きた後だったね。

――つまり、今回のパンデミックは、来たるべくして来た、と。

ひと言でいえば、我々は備えができていなかった。だから、こんな惨状を招いたんだ。報告されている死者数は約630万人だけど、未集計の国や地域も多い。2千万人近くになるという予測もある。経済や教育へのダメージは相当なもので、もっと早く準備していれば、こんなひどい目に遭わないで済んだのに。悲しいよね。

打撃を受けたのは、途上国より先進国


――一方で、エボラ出血熱に比べると、死亡率はそれほど高くありませんでした。

死亡率が低かったのは運がよかっただけ。もちろん、死亡率は年齢によって違い、高齢者だと劇的に高くなる。感染症は主に途上国の問題とされてきたけど、今回は高齢化が進む先進国に大打撃を与えたところが、従来とは違う点だろう。


もちろん、CEPI(17年に発足した国際的なワクチンの開発・製造を担う感染症流行対策イノベーション連合)ができて、日本も大きな貢献をしてくれた。でも、世界がもっと早めに準備をしていれば、こんな惨状は避けられたんだ。

――今のままでは、再びパンデミックが来ると警告していますね。

次の20年以内に再来するリスクは、50%はあると思う。もちろん精緻な数字ではないが、僕がベストを尽くして出した数字だ。人々はますます世界中を動き回り、自然界へ進入している。気候変動による影響もある。しかもこの数字には、バイオテロリズムの可能性は含まれていない。

機能していないWHO

 

――WHO(世界保健機関)が感染症の封じ込め対策に取り組んできたのでは。

これが驚きなんだけれど、WHOはこの仕事をするのに十分な資金を与えられていないんだ。よく映画などで、防護服に身を固めた専門家がヘリコプターでアウトブレークの現場に駆けつけるなんてシーンが描かれるけど、まともに機能する部隊は実在していない。

WHOにお金をつける時には「アウトブレークの封じ込めが最優先である」という規律を徹底しないといけない。そうしないと5~10年間、何も起きなかったときに、「そんな準備しなくてもいいんじゃない」ってことになりかねないからね。

――WHOが機能していないとすると、どんな対策があるのでしょう。

何が必要かを考える際は、パンデミックを「火事」と比較するのがわかりやすい。火事に備えて、消火栓を設置し、消防隊員を雇い、消防訓練をすることの大切さは、誰もが理解できるからね。もちろん、火事なんてそう頻繁に起きるもんじゃない。でも、訓練はしなくちゃいけない。そこで僕は、GERMという組織をつくることを提案している。

――GERM(病原菌)ですか?

「グローバル・エピデミック対応・動員」の頭文字を取った組織で、疫学や医薬品、データ分析、物資の流通など幅広いスキルを持つ職員3千人を各国に配置し、WHOが運営するという構想を描いている。新たな感染症の発生を速やかに覚知し、各国政府と連携して封じ込めを行うんだ。

――グローバルな消防隊みたいなものでしょうか。

そう。でも、パンデミックが火事と違うのは、広がるスピードが速くて、しかも広範囲に及ぶことだ。火元がどこの国であろうとも、早期に封じ込めなければ、世界全体が災害にのみ込まれてしまう。だから富裕な先進国も、「自分たちには関係ない」ということはない。新しい感染症が中国やアフリカで発生しようが、アウトブレークの段階で抑え込むことに貢献するべきなんだ。

年1300億円は「お買い得」

 

――理想はわかりますが、運営費には莫大な費用がかかりそうです。

毎年10億ドル(約1350億円)と見込んでいる。WHOの予算を25%増やすくらいのお金で、全世界の国防費の2千分の1くらいだ。今回の新型コロナによる経済損失は、14兆ドル(1890兆円)にのぼるという試算もある。そう考えれば、「お買い得」だろう?

――誰がお金を出すんですか?

たとえば、米国が25%、日本が10%など、先進国で分担していくのが現実的だろう。これは、先進国が貧しい国を助けるってだけの話じゃない。自分たちの国にとって、世界的なパンデミックがもたらすとてつもないコストを回避するための行動なんだ。

――でも、ロシアによるウクライナ侵攻や、米中の対立を見るにつけ、世界は分断へと向かっている気がします。実現できるんでしょうか。

いや、まったく複雑なことが色々と起きているし、世界は同時にたくさんのことに対処しなくちゃいけない。次のパンデミックに備えるため、世界が集中的に取り組むなんてことは、現実には起きないかもしれない。

でも僕が最低限できることとして、パンデミックの悲惨な記憶が生々しいうちに、議論を始める相手をみつけたいんだ。もちろん、何か保証があるわけでもないんだけどね。

――希望はありますか。

ドイツは今年のG7サミットの議長国で、この件について考えてくれている人がいる。そして来年のG7が日本で開かれるのは幸運だ。日本は、グローバル・ファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の設立に大きな役割を果たすなど、これまでもグローバルヘルス分野の主要なプレーヤーだったからね。

 

 

日本はマスク着用で成功
 

――最近出した著書の中で、「人口の年齢が高いのに、特にうまくコロナに対処した国が日本。どの国よりマスク着用義務が順守されたのが成功の理由の一部」と分析していますね。

日本において、マスク着用が社会的に受け入れられたのはラッキーだった。地下鉄で他人とあそこまでくっつき合う状況では特にそうだよね。

パンデミックが日本社会にとって悲惨だったことを過小評価する気はないけれど、人口当たりの死者数は他の先進国と比べて格段に少なかった。その最大の要因は、マスク着用が順守されたことで、そこが大きな違いを生んだと思う。

――一方で日本では、国が熱中症対策のために「屋外では外して」と呼びかけても、ほとんどの人がマスクを着け続けています。感染症対策というよりも、同調圧力が強いだけ、という声もあります。

政府が患者数の基準を決めて、それを下回ったら「もうマスク着用は必要ありませんので、するかしないかは自ら選んでください」と呼びかけるといった政策も必要だろう。

ただ、オミクロン株が流行している間は、もっと多くの人にワクチンを打たないといけないし、ブースター接種も続けるのが理想的。マスクを着用し続けるのも、理にかなっていると思うよ。

離婚後もメリンダは良きパートナー


――二人三脚で財団を運営してきたメリンダさんと昨年、離婚しました。グローバルヘルスの活動にも何らかの影響はあるんでしょうか。

家族にとって離婚は悲しい出来事だったけど、1年たち、僕らや子どもたちはうまくやっている。財団に関していえば、この間もずっとメリンダと僕は一緒に働くことができたんだ。

僕らは、慈善活動への参加を呼びかけるイベントも一緒に主催し、財団職員の年次総会でも2人であいさつをした。財団とって2人がともに共同議長として運営に携わるのが良いことであることを、はっきりと内外に示してきたんだ。彼女と一緒に働けるのはありがたい。財団に残ってくれたのは幸運だと感じている。(聞き手・浜田陽太郎)

 

 

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