おはようございます。
2013年12月6日(金)の朝です。
朝、やっぱり布団から抜け出すのに、ちょっとだけ抵抗がある朝の冷たさですね。
皆さんインフルエンザの予防はしていますか?
ワクチンを打ってから免疫がつくまでに約2週間はかかります。
できる限り年内にワクチンを打って予防する方が良いと思います。
また、ニュースによれば「胃腸風邪」も流行しているとか・・・。
普段の心がけが重要かもしれません。
「うがい・手洗い」が予防の基本です。
ご自分での健康管理しっかりと行って行きましょう。

さて、本日の第48回PTOT国家試験の解答解説ですが、OT専門分野の午前の問題5について解説致します。

OT48-AM5
88歳の女性。自営の商店や家事を息子夫婦に譲り、たまに店番をして過ごしていた。3か月前に転倒し、右大腿頸部骨折で入院した。人工骨頭置換術後のADLは、見守りによるT字杖歩行と入浴の介助以外は自立して自宅退院した。退院時のHDS-Rは22点と見当識と記憶障害を認めたが、日常の生活で問題行動はみられなかった。要支援2と認定され、通所リハビリテーションを利用することとなった。興味チェックリスト(高齢者版)の結果を(下図参照)示す。この対象者の作業療法目標として適切なのはどれか。


$「国試塾リハビリアカデミー」中島塾長のブログ



1. 園芸・野菜づくりを導入してできた野菜で料理を行う。
2. グループの中で裁縫をしながら仲間づくりを促す。
3. 掃除・洗濯を含めた主婦の役割を再獲得する。
4. カラオケなどへの参加を促して趣味を広げる。
5. 旅行などの外出で応用歩行を習得する。

では、解説致します。

(1)問題文から思考のためのポイントを抽出します。
①88歳、女性、右大腿頸部骨折(人工骨頭置換術)
②ADL=見守りによるT字杖歩行、入浴介助以外は自立
③退院時HDS-R=22点(失見当識(+)、記憶障害(+))だが、日常生活内での問題行動なし
③介護保険=要支援2、通所リハビリテーションを利用

(2)次に、下図の興味チェックリストから思考のためのポイントを抽出します。
<興味チェックリスト(高齢者版)参照>
①興味強い=裁縫、散歩、婦人会・老人会、料理
②少し興味=歌を聴く、知人を訪問、掃除・洗濯
③興味なし=上述以外全て
 
この(1)と(2)から、作業療法目標について考えてみます。
作業療法目標=「①興味強い」活動を取り入れること、画最も重要ですね。

1.×:園芸・野菜づくりを導入してできた野菜で料理を行う=「園芸・野菜作り」は興味なし=不適切
2.○:グループの中で裁縫をしながら仲間づくりを促す=「裁縫と婦人会」は興味強い=適切
3.×:掃除・洗濯を含めた主婦の役割を再獲得する=「掃除・洗濯」は少し興味ありであるが、作業活動としては負荷が大きい=不適切
4.×:カラオケなどへの参加を促して趣味を広げる=「歌を聴く」は少し興味あり「歌を歌う」は興味なし=不適切
5.×:旅行などの外出で応用歩行を習得する=「旅行」は興味なし=不適切

以上のことから正解は「2. グループの中で裁縫をしながら仲間づくりを促す。」です。
このように思考のヒントポイントは、必ず「問題文、参考図表」に隠されています。
それを読み解くことができれば、解答はすぐに出ます。
と言うことで、思考力の必要性・重要性を鍛えることが必要です。

疾患別患者対象の問題は、過去問題と同じ問題が出題されるわけではありません。
必ず、ヒントが隠されていますので、そのヒントを読み取るトレーニングをして問題を解くようにしてくださいね。

では、本日もどうぞ宜しくお願い致します。