おはようございます。

先週末から今週初めにかけて「セミナー」の連続で、ゆっくりとfacebookをUPする暇がありませんでした。

本日朝からやっと、皆様への発信も含めて書くことが出来ます。

先週末は熊本の「withwomen」という研究団体主催の「女性と骨盤底筋群」というセミナーで講師を務めました。

また翌日は当「国試塾リハビリアカデミー」が主催する「臨床リハビリテーションスキルアップセミナー」でリンパ浮腫セラピストの井ノ原先生に講師を務めて頂き「癌リハビリテーション『リンパ浮腫とリンパドレナージ(ケアの基礎と応用)』」を実施しました。

そしてまたその翌日は熊本県天草市の「天草厚生病院リハビリテーション部」で「臨床リハビリテーションでの症例検討とCT画像読影研修」を行ってきました。

どのセミナーでも、たくさんの臨床PTOT(その他の医療技術者も含めて)がとても熱心に参加してくださいました。

講師としても主催者としても大変充実した終末~週始でした。

どんどん医療科学は進歩しています。

例え国家試験に合格し免許を持って臨床に居るからと言って勉強が終わりではないのですね。

むしろ臨床にでてから(プロフェッショナルになってから)が本当に意味での勉強が始まるのですね。

さあ、これから国家試験を受験しようという皆さん!

臨床(プロ)での勉強を始めるためにも、後5か月、一生懸命勉強しましょう!

では本日の第48回PTOT国家試験問題の解答解説を行います。

解説する問題は共通分野の午後問題94です。

午後 問題94
慢性閉塞性肺疾患による呼吸性アシドーシスで腎性の代償が起こって状態が安定している。基準値と比べた場合の動脈血液所見として正しいのはどれか。
1. pH:上昇
2. PaCO2:下降
3. PaO2:上昇
4. HCO3-:上昇
5. SaO2:上昇

では解説致します。



$「国試塾リハビリアカデミー」中島塾長のブログ



「アシドーシス=酸血症」とは、生体の血液の酸塩基平衡(pH(7.4)になるように保たれている状態)の平衡を酸性側にしようとする状態のことです。

ですから慢性閉塞性肺疾患による呼吸性アシドーシスは、肺におけるガス交換が低下し、体内(血中)にCO2が滞留して血液が酸性に傾いた状態のことなのです。

その呼吸性アシドーシスに傾いた体液平衡をアルカリ側へ傾けて安定化させようとして、身体は代償性代謝性アルカローシスを行います。

代謝性アルカローシスとは、腎臓でのHCO3 -(重炭酸イオン)再吸収の増加をさせてアルカリ化させることです。

もともとHCO3 -(重炭酸イオン)は正常では腎臓によって自由に濾過され,したがって自由に排泄されるのですが、それを排泄させずに再吸収することで血中に留めようとします。

1.×:pH(ペーハー:水素イオン指数)=酸性化なのでpHは7.4より低下します。
2.×:PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)=アシドーシスなのでCO2が滞留しており血中CO2は上昇します。
3.×:PaO2(動脈血酸素分圧)=アシドーシスなので血中CO2が滞留しているので血中O2は逆に低下します。
4.〇:HCO3-(重炭酸イオン)=アシドーシスで分離されたH+をHCO3-で中和するために腎性でHCO3-を再吸収しているため血中HCO3-は上昇します。
5.×:SaO2(動脈血酸素飽和度)=血中CO2が滞留しているので血中O2は低下します。

以上のことから、正解は「4. HCO3-:上昇」です。

血中の酸塩基平衡の問題は数年に1回は出題されます。

上の表を見て「アシドーシスとアルカローシス」「呼吸性と代謝性」の特徴についてを学習しておきましょう。

では本日もどうぞ宜しくお願い致します。