お金の話になった時、年収だけで人の経済力を測られることがよくあります。

ですが、これは慎重さに欠けた危うい考え方です。

 

まず、お金を会計的に考えると、以下の4つに分けることができます。

・収入

・支出

・資産

・負債

 

収入と支出が高くて、資産が少なく、負債が多かったら、貧乏な暮らしどころか程度によっては破産が待ち受けています。「ストレス管理能力が低い」「身の丈以上に見栄を張りすぎる」といった場合はこうなります。

 

収入が無しで支出が高くても、資産が支出の数百年分あり、負債が無ければ数世代の人生は安泰です。「高額の相続があった」「海外の宝くじで高額当選をした」といった場合はこうなります。ですが、人生の選択を誤れば「豊かな資産を食い潰す愚か者」になります。宝くじで不幸になったという話は、こういう収支貸借の構成だったりします。

 

収入が高くて支出が低く、資産が多くて負債が少ない状態ならば、「地味な金持ち」になります。「本当の金持ちは地味」みたいに言われる時、彼らが該当します。収支と貸借の観点だけで見ると最も健全です。

 

ここまでの説明で、「年収は経済力の1/4の情報に過ぎない」と分かると思います。

 

 

ですが、世の中はもっと複雑です。私達は会社を設立すれば法人としてのステータスも持つ事になります。

すると、法人名義の収入、支出、資産、負債も考慮が必要です。なので、自分でビジネスを持っているような人の経済力は、年収だけだと1/8しか分からないのです。

 

「経営者なのに年収が200万円しかない」という場合は、この人は社会保険料の節約として意図的に個人の役員報酬を制限している可能性があり、やろうと思えば年収を一気に何億円にも上げられるような人かもしれないのです。

 

会社の状態が悪ければ、「経営者で年収が5000万円あるけど、会社のキャッシュフローがマイナスで倒産するどころか、その経営者を連帯保証人に入れた借金が何億円もある」といったことも考えられます。

 

なので、私が人の経済力を見る時は、相手の住居や趣味などについてもしれっと尋ねます。国税局も相手の趣味を尋ねるそうですが、会計的に物事を考えていくと自然と収支貸借を知るためにこういった質問になってしまうと思います。

 

このように、4または8つの情報で物事を考えられるようになると、婚活で「健全な高収入」「健全な玉の輿」を狙いたい時や、健全なビジネスパートナーを持ちたい時などに役立つと思います。

 

…もしかしたら、私は経営者ではなく徴税人のような仕事の方が適正があったかもしれません。