「嵐家5兄弟のお話~二人の日曜日~」




櫻葉。



パロディ。





こちらもお久し振り5兄弟のお話です。

前回の双子の思春期のお話の続きを書こうかと思ったけど、今回は櫻葉ちゃん二人の話。

(ほな普通の櫻葉妄想でええやろというツッコミはなしでお願いします)






12月。


とある日曜日の昼下がり、雅紀はリビングのラグマットの上にぺたんと座って兄弟5人分の大量の洗濯物を畳んでいました。

寒くなってきて洗濯物がなかなか乾かないのが雅紀の悩みの種でもありましたが、今日は気温が高めで暖かい日であったので久し振りに洗濯物が早く乾いたのが嬉しくて、雅紀は上機嫌でした。

鼻歌を歌いながら服の裏地に書いてある名前を見て、テキパキと畳んでそれぞれ分けて山のように積んでいきます。

洗濯物を畳むのに夢中になっていた雅紀は背後から忍び寄る気配に全く気が付かないまま、最後の一枚を畳んで積んであった洗濯物の上に置いてぽんぽんと手を乗せました。

「これで終わり!!」

嬉しそうに声を上げたと同時に後ろから手が伸びてきてぎゅっと抱き締められました。

「うわぁぁっっ!!」

「おはよう、雅紀」

同時に声が上がって雅紀が後ろを振り向くと満面の笑みを浮かべた翔の顔が間近にあって、翔はおかしそうに声を上げて笑って言いました。

「あははは!!雅紀、びっくりした?すげぇ機嫌良さそうじゃん、何かいいことあった?」

「な、何にもないけど...今日は天気よくて暖かいから洗濯物が早く乾いてよかったな、って思ってただけだよ////つか、もうお昼だから!!」

雅紀が恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら言うと翔はフッと小さく笑って

「お前、主婦みたいだな。死んだ母さんみたいなこと言ってんなよ~びっくりした」

そう言って後ろからのし掛かるように体重を掛けて甘えるみたいに雅紀の首筋に顔を埋めてきました。

「翔ちゃん、いつからいたの?」

「ん?雅紀が洗濯かごから洗濯物ひっくり返して洗濯物畳み始めたところから。雅紀の歌、久し振りに聞いた。」

「最初からじゃん!!もう、いるならいるって言えばいいのに!!趣味悪いよ翔ちゃん」

「雅紀こそ、俺がキッチンで水飲んでんのに気付きもしねぇの酷くね?」

翔が拗ねたように言うと素直な雅紀はしゅんと体を小さくしました。

「ごめん、翔ちゃん」

「ウソだよ。雅紀が楽しそうにしてたから見てた。雅紀だけ?智くん達は?」

翔は雅紀の頭に手をやってぽんぽんとして優しい口調で聞きました。

「大ちゃんは会社の人のお供で得意先の部長さんと接待ゴルフ、和くんと潤くんは野球しに行ってる。さっきお昼ごはんに帰ってきたけど、また遊びに行っちゃった」

「そっか。」

「翔ちゃん何か食べる?」

「ん~いや、起きたばっかだしまだ腹減ってねぇからいいよ。コーヒー入れてくれる?」

雅紀は自分を抱き締めてくれる翔の腕に自分の手を重ねて聞くと、翔は雅紀の首筋に顔を埋めたまま答えました。

「うんわかった。じゃあ、先にこの洗濯物をみんなの部屋に片付けてからコーヒー入れるね。」

雅紀が畳んだばかりの洗濯物を畳んだまま洗濯かごに戻すと翔が手を伸ばして先に持ち上げました。

「いいよ、これは俺がやっとくよ」

翔はそう言って立ち上がりました。


翔は洗濯物のかごを持ってリビングを出て、2階への階段を上がって行き、雅紀はキッチンでコーヒーを入れ始めました。

二人分のコーヒーをマグカップに入れてリビングに運ぼうとしたところに翔が戻って来ました。

「くふふ。翔ちゃんタイミングばっちりだね」

「合わせたみたいだろ?」

翔も雅紀も二人きりで過ごせることに段々気分が高まって、何でもない些細なことがとても嬉しくなりました。

二人でソファーに座ってコーヒーを飲んでいると翔が徐に

「雅紀、膝貸して」

と言ってごろんと上半身を横にして雅紀の膝に頭をのせました。

「翔ちゃん久し振りだね、こうするの」

雅紀が翔の頭を撫でて、くるくると自分の指に翔の髪を巻き付けながら言うと、翔は上を向いてまっすぐ手を伸ばして雅紀の後頭部に手を持っていきグイッと引き寄せました。

「翔ちゃん、殆んど家にいないもん。」

「バイトだよ。いつまでも智くんに負担掛けるわけにいかねぇし」

「知ってるよ。前は夜遊びばっかだったのにね、まじめになったね翔ちゃん」

「ばか。俺はずっとマジメにやってるよ....それよりさ、どっか行こうか?やんちゃ共は遊びに行ってるんだし俺達も出掛けよう?」

翔が雅紀の頬を撫でながら言うと雅紀はとても嬉しそうな笑顔を見せました。

「ほんとに?翔ちゃん、今日はバイトないの?」

「うん、今日は休みだよ。どっか行きたいところあるか?バイトの金も入ったばっかだし、雅紀の行きたいとこ行って、食いたいもの食おう」

「翔ちゃんそんなこと言って大丈夫?もらってすぐ金欠になっちゃうんじゃないの?」

「ばか。大丈夫だよ、どこ行く?」

もう一度翔が聞き直すと雅紀は少し考えて

「ん~じゃあ、翔ちゃんと一緒に買い物行きたい」

と言いました。

「買い物?服かなんか買う?」

「ううん、違うよ。晩ご飯の買い物行きたいの」

「はぁ?何それ。俺が言ってるのはそんなんじゃねぇよ、デートしようって言ってるんだけど」

「くふふ、知ってる。でも翔ちゃんもうすぐバンドのライブあるんでしょ?練習用のスタジオ借りるのにお金いるんじゃない?せっかく翔ちゃんが頑張って働いたお金だよ?うちに入れる分はともかく、残った分は自分のために使わなきゃ」

雅紀が笑って言うと翔は少しムッとしたように言いました。

「雅紀、俺がいいって言ってるんだからお前が遠慮することなんてないさ。お前が気を遣うほど金に困ってるわけでもないしスタジオ代はみんなで割り勘、足りなきゃバイトも増やしてる。それに俺がお前と出掛けたい」

翔の呟きに雅紀はほんの少し、切なそうに眉をひそめましたがすぐに笑顔で言いました。

「ありがとう、翔ちゃん。でもオレやっぱり、翔ちゃんと一緒に晩ご飯の買い物に行きたい....だめ?」

「だめなわけねぇじゃん。わかった、一緒に行こうか。」

「よかったぁ~!!食材はいつも日曜日にまとめ買いするでしょ?大体大ちゃんか和くんと潤くんが着いてきてくれるんだけど、今日は3人ともいないし、和くんも潤くんも最近なかなか一緒に行ってくれないからどうしようかと思ってたの~!!」

雅紀は安心した様子でホッと一息吐いて笑って言いました。

「何だよ、ただの荷物持ちなのかよ、俺!!」

「だって5人分だよ?男ばっかり。一人じゃ大変なんだもん!!」

「あ~もう、わかったわかった。荷物持ちでも何でもやるよ!!」

「くふふ、ありがと翔ちゃん。じゃあ、早く行こ」

雅紀が翔の肩を軽く揺すって急かすと翔は

「雅紀、お駄賃はくれないの?」

雅紀をじっと見つめていいました。

「しょうがないなぁ~もう。ちょっとだけだよ?お駄賃はあとからもらうものなんじゃないの。」

と笑いながら引き寄せられるままに翔の唇にキスをしました。







済みません、一回で終わらせたかったのにまた終わらなかった。。。。

じゃあもう次はお買い物編だな。


あ、そうそう次回のお話には初めて“女の子”が登場します。

その女の子、ちょっと危険人物か