【トー横】新宿日撮り歩記 | まさこんの写真雑館

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仕事に遊びに縁の深い新宿の風景、ふらっと出かけた場所の写真、50年前に撮った写真の復元、写真について思うこと、などなど。

「トー横」という場所をご存知でしょうか?

渋谷の「東横」ではありません。

「TOHOシネマズ新宿」の横にある広場のことです。

 

この場所に集まる若者たちを「トー横キッズ」と呼ぶことがあります。

最近、この若者のことを報道する番組がときどきあります。

それによれば、彼らは一晩中そこにいて、飲酒をしたり、中には、薬の過剰摂取で深刻な状態になる者もいるそうです。

何故、そこに集まるのか。

その番組で紹介された者の多くは、親からの虐待などで家にいたくなかったり、いられなくなったりして、見ず知らずの「仲間」がいる居場所を求めて「トー横」に集まっているとのことです。

4月に華やかな歌舞伎町タワーが開業したときには、あの広場が催しのために仕切られましたが、その間、若者たちはどこにいたのでしょう。

また、これから冬を迎えますが、彼らはどこで寒さをしのぐのでしょう。

今年だけのことではないので、どこか場所があるのかもしれません。

 

この「トー横」のすぐそば、歌舞伎町タワーの裏あたりに「大久保公園」があります。

 

その公園横の道路に、夕方あたりから若い女性が立ち始めます。

多いときは5メートルおきくらいに。

取り締まれるような人数ではありません。

いずれもどこにでもいるごく普通の女性たちに見えます。

彼女たちは「立ちんぼ女子」と呼ばれています。

ここには「トー横キッズ」と同似たような境遇だけでなく、別の目的を持った女性たちもいるそうです。

その目的とは「メン地下の推し活」。

ホストクラブではなく、小規模なライブなどをおこなう男性アイドルを「メン地下」といい、好みのアイドルを応援する(お金を使う)ことを「推し活」というんだそうです。

1日で十数万円稼ぎ、1ヶ月で200万円から300万円。

すべて「推し」のために使うそうです。

 

どう考えたら良いのでしょう。

「明るくて安全な歌舞伎町」にするために、取り締まりを強化して、彼らを排除すればいいのでしょうか?

「良くないこと」をしているのだから、あたりまえ?

私にはそうは思えないのです。

彼らの居場所がなくなっているのは今の日本社会のありようによるところが多いのではないかと思うのです。

なんでも政治のせいにするのは良くないかもしれませんが、やはり出発点はそこではないでしょうか。

その上で初めてNPOやボランティアなどの「民力」が生きてくるのだと思います。