1978年3月、1ヶ月間のカナダ・アメリカ旅行。
前半は(アイス)ホッケー、後半は友人を訪ねるのが目的でした。
その前半、試合を見ること以外には何も考えていなかったのですが、唯一行こうと決めていたのがこの場所です。
The Hockey Hall of Fame / ホッケーの殿堂。
「殿堂」という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、日本にもあります。
例えば、東京ドームにある「野球殿堂博物館」の中に「野球殿堂」があります。
その世界に功績のあった人たちを讃えるための制度と場所です。
今もあまり変わりはありませんが、1978年当時はさらに日本にはホッケーの情報はありませんでした。
まだインターネットもなかった時代なので、どうやってこの場所を知ったのか、記憶にないのですが、とにかくここには絶対に行こうと思っていました。
現在、この殿堂は交通の便の良いトロントの中心街にありますが、このときはトロント郊外のやたらと広い場所(公園?)の一角にありました。
どうやってこの場所に辿り着いたのかもほとんど覚えていませんが、バスだか路面電車を乗り継いで行ったような気がします。
一つだけ覚えているのは、雪に覆われて人っこ一人いない広い敷地の中を殿堂に向かってトボトボ歩いていると、パトカーが近づいてきて、「どこへ行く?」と尋ねられたことです。
「ホッケーの殿堂へ」と答えると、パトカーに乗せてくれ、殿堂の入り口まで連れて行ってくれました。
外もそういう状態でしたので殿堂の中には誰もおらず、貸切状態。
日本で数少ない雑誌などの活字でしか知らなかった過去の名選手たちを讃えるブロンズの盾や展示物に囲まれ、幸せいっぱいのひとときを過ごしたのでした。
情熱というか、執念というか、もうこんなことはできません。
(優勝カップ)
(殿堂の中)