柴山宗平先生の「四季のしつらえ入門」教室の記録です。
五月といえば、端午の節句🎏ですが
茶人にとっての大きな行事は「初風炉」です。
炉開きや口切りと同じくらいの大事です。
お茶は本来は風炉で行われたもので、奥伝授与などは台子に風炉と皆具で点前をします。
初風炉では炉を塞ぎ、畳を替えて、土風炉を使います。
漆塗りの土風炉は一番格が高いので、初風炉にふさわしいです。
茶事の見所としては、炭手前の鱗灰ではないでしょうか。
炭で沸かす釜のお湯は贅沢の極みですが、沸かして数十分の煮えたてがちょっと落ち着いたくらいが一番おいしいです。
亭主の裁量で炭を選び、炭の大きさ次第で理想的な小一時間の湯相にしたり、ゆるゆるとしたおもてなしなら大きな胴炭にして、客人にゆっくりしていただくという心配りが肝要です。
炭手前に使う炭は、二、三日前にしっかり洗って干しましょう。
初風炉なので、一汁一菜に美味しいお菓子と濃茶で、きちっとしたおもてなしが良いでしょう。
皐月会記
①掛物:萩坊乗圓筆「松陰」二字
花入:胡銅耳付花入
花:白牡丹、槿
萩坊乗圓は三筆の松花堂昭乗の弟子と言われる。
(寛永の三筆: 本阿弥光悦、近衛信尹、松花堂昭乗)
真のしつらいとして、堂々とした書に矢筈板と唐物の龍耳の花入をあわせ、格の高い牡丹を生けています。
花は一種のみ生ける方が格調が高いですが、今回は槿を添えて柔らかさを出しています。
②掛物:内藤東甫筆 見返り鍾馗図
花入:時代箙(えびら)
花:菖蒲、蓬
幕末の画家・内藤東甫が鍾馗(しょうき:道教の祖)をさらっと書いた旗表具の作品。
箙(えびら)は本来は矢を入れる武具。
それを花入にし、端午の節句に相応しい演出。
花は菖蒲だけでも良い。蓬は好みによります。
菖蒲は抜いたところが紫色なのが大事で、紫と緑と茶色で「あやめ」という平安時代の襲の色合いになります。
③掛物:佐川田昌俊筆「郭公」短冊
花入:松尾楽只軒作 竹一重切花入 銘「菖蒲」
花:大山蓮華
連歌の名人、佐川田喜六昌俊の短冊を表装した軸。
竹の花入に大山蓮華を合わせた、草のしつらい。
花入の竹の筋が菖蒲の葉に見えるから、この銘が付いたのかもしれません。


