Vol.3は今回のコーンサートの主役、詩人ポール・ヴェルレーヌ(1844-1896)について。

幼少期は比較的裕福な家庭に育つ。
家庭環境は早くに亡くなった父親には溺愛されたが、母親との関係は終生を通して良くなかった。
母親の方は経済的援助も含め、死ぬまで息子の面倒を見ていたが、ヴェルレーヌ本人が良好な関係を気築くことが出来なかった。 
十代の頃にボードレールに影響を受けている。成人後は書記の職につき、やがて詩人らと付き合うようになる。
マチルデという女性と結婚する。婚約時代の彼女を題材にしたla bonne chanson(優しき歌)を後に出版しているが、結婚1年ほどで出会った詩人仲間のランボー(男)と恋に落ち同棲を始める。
しかし、口論の末発砲しランボーを負傷させ、ヴェルレーヌは投獄される。(この投獄中にカトリックに帰依している) 
出獄後に教職に就いた先で出会った生徒(年齢はひとつ上・男)と同棲を始める(その男性とは死別)。
泥酔して母親に殺人未遂を犯し、再び投獄される。
母親の死後は職もなく財産もなく慈善病院と娼婦の世話になり、そのまま生涯を閉じる。

文学史上ではボードレール、マラルメと並び象徴主義(象徴派)を代表する詩人として位置づけらる。またデカダン派(廃退主義、世紀末主義)の詩人とも言われる。 
象徴主義とは、人間の内面や観念的なものなど、目に見えないもの、捕らえ難いものを象徴的に表現しようとする芸術運動を指す。

Vol.2で、ドビュッシーが表現したのは印象主義ではなく、象徴主義と書きました。
両者とも表面的には曖昧模糊としたものを感じますが、印象主義が目に見える光の微細な表情を感じたままに表現したのに対し、象徴主義は元々実体の伴い内的なものを表現した、いわゆるアプローチの方向性からして逆のものになるのかと思っています(私見です)

Vol.4に続く。 
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12月17日(土)14:00開演
会場:サロン・テッセラ(三軒茶屋)
全席自由席  4000円

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