今朝の日経「文化」
「そんな時代」
海猫沢めろん
面白くって深くって
可愛くって楽しくて
とっても素敵な記事でした
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ある日、9歳の息子と
ふたりで散歩していると
彼が突然こう言った
「おれね、自分で頭いいと
思ってるよ」
そんなほのぼのした
場面から始まって
お父さんの、めろんさんは
勉強も運動も
出来なかった私としては
こういうとき、どうしても
反論したくなってしまい
大人気なくこう言った。
「あのさ、前にソクラテスの話
したの覚えてる?」
・・・中略・・・
息子は
「無知の知でしょ」
としっかり覚えていたので
私はすかさずカウンターを放った
「もしソクラテスがいたら
『私はお前より頭が良くないことを
知っている分お前より
頭が良い』って言うよ。
そしたら君よりソクラテスの方が
賢そうに見えるね。
そしてめろんさんの
息子さんが冷静に返すには
「今はそういう時代じゃないんだよ」
「え・・・・・そ、そうなのか!?」
思わず動揺する私に息子は続ける
「ソクラテスって、昔の外人でしょ?
今の日本でそんなこと言ったら
単にバカに見えるだけだから」
9歳の息子に現代日本社会の
何が理解できているのか
分からないが
そこには謎の説得力があった。
動揺するめろんさんが面白い
そして、続ける
そもそも賢いとは、知性とは
なんだろうか?
・・・中略・・・
人よりお金を多く稼げたり
社会的に高い地位だったり
影響力があったり
そうしたことが知性だと
思われているような気がする。
確かにそこでは「無知の知」
なんてあまりに無力である。
今の時代
弱みを見せれば
バカにされるだけなのか?
しかし、だからこそ
私は気づいた。
「無知の知」の本質は
知性ではなく「品性」ではないかと
・・・中略・・・
バカでも貧乏でもいいから
品性のある人間になって欲しいものだ
などということを息子に言って
「わかる?」と聞いてみたのだが
「・・・・・わかりづらい」
と言われてしまった。
さらに彼は
「1分くらいにまとめてよ。
YouTubeみたいに」
と言った。
「ふざけんじゃねー!」
私は心からこの時代が
はやく終わることを
願っている。
しかし、それよりも先に
私の人生が終わるのは
間違いない。
時代は過酷である。
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面白い記事だから
母に読み聞かせてあげて
末娘に読ませて
感想を聞いてみたら
「息子の方がわかってるよね。
彼は学校で今を生きているから」
そうかもね・・・
若い子たちは
今のリアルを生きてるから
中年のめろんさんや私より
よっぽど色々わかっていて
シビアで現実的なのかもね。
同じ時代を生きていても
違う年代が見てる世界は
微妙に違っているのでしょう。
親子の対話
いろんな事を教わります。
子どもから学ぶこと
多いな〜
日々思う今日この頃です。
私のベトナム語と現代社会の先生
末娘のAKAringoが描いた
お気に入りのイラストです(^_-)-☆