新型出生前診断のカウンセリングと採血当日の話。


夫には時間休を取って仕事を抜けてきてもらった。

夫婦でカウンセリングを受ける必要があったため。

診察券の発行もしてもらうため、早めに病院について手続きを終え、まずは産婦人科の待合室で待った。

10分くらい待っていると、看護師さんがカウンセリングの部屋がある場所に案内してくれた。

そこでも待合室があって、私たちの前にカウンセリングを受けている夫婦がいるので少し待つように言われた。

「他にも受ける夫婦がきているんだ」なんてぼんやり考えていた。

なんの感情だったんだろう。

受ける人ってすごく少ないような気がしていたのかもしれない。


出生前診断受けるのは覚悟の上だけど、なんか緊張してたんだろうな。


待合室でもつわりで相変わらず気持ち悪く、うなだれていた。よだれをビニール袋に吐き続けていたが、嘔吐はせずにいられたのは幸いだった。

15分ほどで呼ばれてカウンセリングの部屋に入った。

そこには説明をしてくれる医師がいて、机にはタブレット端末があった。

夫婦そろってイスに座りカウンセリングが始まった。

事前に視聴しておくように言われた動画を見たか確認された。


この日その医師はこのカウンセリングのために、隣の市の病院から来ていると言っていた。

タブレットも時々資料を提示しながら出生前診断や胎児の障害、染色体異常について詳しく説明してくれた。

私たちも予習してきていたので分かることが多かったが、やはりカウンセリング、医師からの問いかけももちろんあった。

一方的な説明ではなく、質問されて応える場面もけっこうあった。


記憶と印象に残っている質問はいくつかあって、医師との会話を思い出して書き出してみる。

もし、間違ってたらごめんなさい。

私の記憶なので、、、

↓  ↓  ↓


①【ダウン症の確率の話】

医師「37歳で分娩ですね?ダウン症の確率はどれくらいだと思いますか?」

私「180分の1くらいでしたっけ?」

医師「だいたい200分の1です。」

と、年齢別の表をタブレットで見せてくれた。



こんな感じの表だった。


医師「この確率を見て高いと感じますか?低いと感じますか?」

私「高いと感じました。今の妊娠の前に胞状奇胎で流産しているのですが、その確率が500分の1なのに私はなってしまったので。その確率より高いなって。」



そう、胞状奇胎になるなんて運が悪いってずっと思ってきたから。

なんで、私なん?って。

年齢に関係なく全ての妊娠の中の500分の1の確率に自分がなるなんてショボーンって。


現在は消化できているんだけど、当時は凹んでたな。



あと、次のやりとりで少し泣きそうになった

↓  ↓  ↓


②【出生前診断を受けないメリットとは】

医師「出生前診断を受けないメリットって何だと思いますか?」

私は質問の意味を理解できなくて(恥)
なんか忘れたけど見当違いなこと答えてた。
ほんと恥ずかしい。

医師はスルーしてた。


医師「受けないメリットは、産む産まないで迷わずに済むこと。検査しなければ産まない選択をせずに済みますからね。」


産まない選択をせずに済む…

そう、これ、この話の時に泣きそうになったんだった。


この質問されてこの2年間、出生前診断について何度も考えて悩んでいた事が一気に思い出された。

私の「陽性なら中絶する」って決断の裏には、

「検査しなければ、陽性だとしても、その事実を知らずに中絶なんて恐ろしい事を考えずに、赤ちゃんとの時間を過ごしていけるのに」って想いが私の心の中にあったから。

心の奥底に沈めていた、いちばん辛い部分の話だった。


その気持ちがあぶり出された。


医師には、カウンセリングが始まってわりと最初の方に、陽性ならどうするか決めているのかと質問された。

その時私は医師の目を真っ直ぐ見て、「中絶します」とはっきりと答えた。

もう、迷いはなかったのに、覚悟してきたはずなのに、この「出生前診断を受けないメリット」の話で、動揺したのだった。

動揺し泣きそうになっている自分に驚いた。

目は涙が浮かんでいた。こぼれなかったが、医師は気付いていたと思う。



30 分程話していたのかな。いや、もう少し長かったかも。

医師とのカウンセリングが終わり、次は採血する事に。



ここでちょっと、注意があります!

通常はカウンセリングを夫婦で受けてから、実際に採血するまでは1週間開けるんですって。

そのことも医師は話してくれました。

今回私たちがカウンセリング当日に採血できたのかは、2年間かけて私が考えてきた上での決断であり、意思が固まっているから。
そして、夫婦でも話し合いがされていて、「陽性であれば中絶する」と結論が出ており、その考えが変わることがないから。


私たちみたいなパターンもある事を書いておきます。

そもそもなぜ、カウンセリングから採血まで1週間の期間を設けているかというと、カウンセリングに出生前診断の説明を聞きに来て、そこから「どうするか」を決める夫婦がいるからなんだとか。

大多数がそうなのかもしれないです。

つまり、出生前診断について医師から話を聞き、カウンセリングを受けてから

「受けるのか受けないのか」
「陽性ならどうするのか」
など、夫婦で相談するからなんだとか。

もっともな話ですよね。非常に重大な選択になるのですから。

ちゃんと夫婦で考える時間が設けられているのです。

これってとても大事な事だと思います。

医師が詳しく説明し、夫婦にカウンセリングをして、というプロセスが。



次のブログに続き書きます。


出生前診断の無認可にも触れて書きます。