スーツ姿の時は仕事ができるビジネスマンのオーラを感じた課長だが、

 

今は斜め下を向いたまま、黙って話を聞きている。

 

奥さんは笑ってもくださり、雰囲気は悪くない。

 

N次長「お仕事お忙し中、お子さんの養育費もこれからかかるし、将来の対策と言ってもなかなか厳しいと言われる方がふえていまして、」

 

奥さん「どこの家庭もいっしょなんでしょうね。」

 

N次長「そうですよね。そこで、401kも各企業さんで導入されたことをきっかけに、国の制度に依存しっぱなしではなく、自分たちでできることを始めていこうと考えられる方がふえてきていたんです。」

 

奥さん「・・・」

 

N次長「こちらです。」

 

カバンからA4・1枚の物件資料を取り出し、テーブルの上に置いた。

 

N次長「弊社の分譲する東京23区内のワンルームマンションを購入頂き、貸していただく。こうすることで、分割して払っていただく返済+管理費・修繕積立金・固定資産税を、家賃で賄っていただくことができます。」

 

奥さん「・・・」

 

N次長「これだけだ後、毎月約1万円くらいのご負担になります。」

 

奥様「・・・」

 

N次長「所有しているマンションの家賃収入と会社からもらう給料を合算することで、マンション経営をするための経費を認めてもらえるのです。これによって、課長のご所得の場合、当初は年間約30万円くらいの節税になります。」

 

具体的な内容の話を進めていくと、奥さんは表情が固まったようだった。