真夏の週末・金曜日の夜。
飛び込み営業のノルマをなんとかクリアし、日が落ちてから会社へ戻る。
真夏の中ネクタイをしめ、スーツのジャケットを着た状態で街を歩き回っているので、全身汗まみれ状態だ。
ヘトヘトになって帰社すると、N次長に呼ばれた。
N次長「おつかれさん、例の千葉のお客さんと連絡とれたぞ。」
僕「ありがとうございます。え、本当ですか!」
N次長「あぁ、週末までに連絡するって言ってたけどなかったから、夕方連絡してみた。」
僕「そうですか。ありがとうございます。」
N次長「その時点でちょっとマイナスだけどな。」
当時、このN次長が言われたこと、記憶に残っているが、当時の僕は内容がよくわかっていなかった。
N次長「まぁいいや。明後日、日曜日に千葉の駅前で家族と話をしてほしいという事になったぞ。」
僕「日曜日ですか。」
N次長「そうだ。いけるか?」
僕「はい、ぜひお願いします。お休みなのにすいません。」
N次長「それはいいけど、風向きがよくないかもな。」
N次長は長年の交渉感覚でお客様の状況を呼んでいるようだった。
N次長「15:00に駅近くで話することになったぞ。都合いい場所が決まったら俺の携帯に連絡もらえるようになっているからな。」
僕「よろしくお願いします。」
申込をもらっているお客様の家族と話をする。
2度目のチャンスに、僕はあわい期待を感じていた。