じりじりと日が照り、セミが大合唱する中、

 

就職活動の時に無理やり用意したリクルートスーツのジャケットをはおり、さっそうと横浜方面へ。

 

 

本厚木や千葉よりも近いが、やはり都心に近い分、あたりがキツイ。

 

東京から移動時間や距離が離れる分、人当たりがよくなるというのが、身にしみて感じられた。

 

 

その時、何かの情報で得た、「雨の日の営業マンの話」を思い出した。

 

 

土砂降りの雨の中、傘は持っているけどあえて刺さずに移動し、お客様のところに訪問すると、

 

「急に雨が降ってきて大変だったね!」

 

というふうに、情がわき、売りやすくなるという話だ。

 

 

雨どころが、日差しがカンカン照りの気候だが、その中で汗まみれになって営業していたら、同じように情がわいて、名刺交換してくれやすくなるのでは?

 

 

そう考えて、スーツのジャケットを着たまま、街中を回っていた。

 

周りを見渡すと、ジャケットを着ているのは僕だけのようだ。

 

 

「あいつは暑い中、なんでジャケットを着ているんだ?」

 

ときどき、そんな目線も感じる。

 

 

周りの目線よりも、今日のノルマ、給料が下げられないように売り上げを上げる。

 

気が付けば、お金を稼ぎたいというよりも、今の現状よりもさらに悪くならないようにするためにという恐怖モチベーションが、僕の体を動かしているようだった。