僕の目の前で、お客様が申込書を記入している。
何件もの電話をガチャ切りされ、飛び込み営業で何件も断られ、
自分は社会にとって、いらない存在なのか?邪魔な存在なのか?
そこまで考えたこともあったが、
お客様はマンションを購入しよういう自身の意思で、購入申込書を書かれている。
僕は、胸の高揚が止まらなかった。
N次長はいたって冷静だ。
N次長「あ、課長、ここは稟議を通すうえであけておいてもらっていいですから。」
いつもやっているがごとく、いたって冷戦沈着。
僕の胸は、ドキドキと早い鼓動を打ち続けているのに・・・
N次長「ありがとうございます。これで大丈夫です。稟議はすすめていきますので。
ご家族への説明は、どうしましょうか。」
課長「そうだなぁ。」
ちょっと顔色が変わったのが、なんとなく分かった。
N次長「じゃあ、よかったら僕が説明しますよ。その方が課長もご安心頂けるんじゃないかと思いますし。」
課長「そうだな。もしかしたら土日になってしまうかもしれないけどいい?」
N次長「事前に言ってもらえたら大丈夫です。」
課長「じゃあ、今週末くらいで調整してみて、連絡するね。」
N次長「わかりました。こちらは稟議を進めておきますので、よろしくお願い致します。」
席を立ち、訪問先を後にした。