N次長が、資料をカバンから出し、テーブルの上に滑らせる。

 

N次長「現在ウチで販売中の錦糸町のマンションです。

 

25平米・2200万円で、ウチで提携している金融機関で借入すると、毎月8万円くらいになります。

 

それに管理費・修繕積立金が1.5万円、固定資産税がおおよそ月にすると1万円くらい。

 

借上げしたウチからの家賃が9万円。

 

つまり、毎月の支払いは1.5万円くらいです。

 

東京都心部のマンションが、毎月1.5万円で持てるという事になります。」

 

課長「なるほど。」

 

お客様も真剣な表情だった。

 

 

N次長「この支払いに関してですが、課長のご家族構成とご年収をもとに、ざっと計算してみました。

 

年間、かなり税金支払われていますね。」

 

課長「そうなりますね。」

 

N次長「ですよね。ここを先ほどの損益通算をつかい、当初年間約20万円くらいは還付できるようにできるかと思います」

 

課長「20万円?」

 

N次長「そうです。ですので、例えばそれを月の負担に充てて頂いたとしても、年間約2万円くらいはプラスになるという事ですね。」

 

課長「なるほど!」

 

 

ここでしばらく無言の空気が流れる。

 

 

 

その沈黙の空気を破ったのは、お客様の方だった。

 

 

 

課長「で、どうすればいいですか?」

 

N次長「この値引き幅の部分なんですが、じつは会社に稟議を出さないといけないんです。稟議を書く上で、形上申込書が必要になります。ですので、こちらの申込書を記入いただきたいのですが、」

 

課長「わかりました。書きましょう」

 

そういうと、お客様はN次長から受けとった申込書を書き始めた。