飛び込み営業を繰り返す日々。
都心で飛び込み営業をやっていると、会社に入れないことも多々ある。
挨拶をして名刺交換をするにしても、会社に入れなければ始まらない。
足を動かして訪問件数を増やしているのに、物理的に訪問できないという局面が非常にしんどい。
とくに精神的に追いやられる。
これが続き、名刺交換ができずのままで時間だけ経過していく状況に陥ることが胃を苦しめた。
会社を訪問する飛び込み営業は、タイムリミットがある。
だいたいの会社は18時頃には正門が閉まる。
正門が閉まった状態だと、出待ちして帰宅をする人を捕まえるしかなくなる。
いつ仕事が終わって出てくるかわからないし、その人がもし名刺交換をしてくれなければ時間がもったいない。
ノルマと時間を意識しながら、会社訪問を繰り返していく。
18時を過ぎてノルマ未達の場合、戦場は東京駅へと移る。
ビジネスマンの往来が多い東京駅へ。
「ローンが通りやすい有名企業の役職者」という条件付きのノルマだが、会社が開いている日中はターゲットが絞ってポイントで飛び込める。
が、門が閉まってしまった後は、数で勝負するしかなくなる。
東京駅で、中堅以上のビジネスマンを見つけては、
「新人研修をしていて、名刺交換ノルマ達成するまで会社に帰れないんです。お願いします!」
と、頭を下げてお願いする。
社会の厳しさを感じた夏だった。