約束していた時間・場所にお客様が来られた。

 

 

Y係長「今日は暑いですね。つなぎを着ておられるという事は、お仕事の休憩中ですか?」

 

お客様「あついですね。そうなんです、休憩中にちょっと抜けてきたんです。」

 

Y係長「お忙しいところお時間を頂き、ありがとうございます。」

 

お客様「いえいえ、」

 

 

 

そんな当たり障りのない雑談からスタートし、本題へと入っていく。

 

 

 

Y係長「〇〇様はまだお若いので老後の年金対策と言っても、まだまだ先の話かとおもいますが、今の60歳以降の年金、いくらもらえるかご存知ですか?」

 

お客様「いえ、詳しく知らないですね。

 

Y係長「今は夫婦2人で約21万円くらいですが、これから少子高齢化が進み人口が減っていきますので、減っていくことが考えられます。」

 

お客様「まぁ、そうでしょうね」

 

 

 

僕自身、いままでそんなこと、考えたこともなかった。

 

祖母が退職して年金暮らしをしているが、家族でお金の話などしたことがなく、まったくの知らない世界だった。

 

 

 

Y係長「これから年金額がどんどん減っていくという事が言われていますが、その一方でサラリーマンをしていても、税金が高くなる一方で、給料から強制的に天引きされているじゃないですか。」

 

お客様「そうですね。」

 

Y係長「そうですよね。これはなかなか不公平な話じゃないでしょうかね。いくら頑張って働いて給料が上がったとしても、そのぶん税金も一緒に上がってしまう。」

 

お客様「たしかにそうですね。」

 

Y係長「そこで、強制的に引かれてしまっている税金をうまく節約して、今の生活レベルを維持しながら老後の年金対策をされる方が増えてきたんです。」

 

お客様「そんなことができるのならいいですけどね。」

 

 

お客様がそういわれた瞬間、Y係長がカバンから1枚のA4資料を取り出した。