1日300打電をつづけるなかで、いっこうに商談APOが取れる見込みが立たない日々。
そんな中、隣の島にいる先輩たちは、少しの打電で商談APOを取得していた。
ライン長のしたに4人いる役職持ちの先輩は、最低でも1週間に1件以上の商談APOをコンスタントに入れていた。
「なにがちがうんだろう。」
僕ら新人には、
「本人が出たらフルテンションでいけ!」
と言われていたが、先輩たちはさほどテンションを上げている様子はない。
「やはり、話す内容がちがうんだろうな。」
たまに聞こえてくる先輩たちの電話営業。
主権者とつながらないときは流れ作業のように電話を握り、先輩たちのトークに耳を立てていた。
しかし、入社1年目で商品内容もさほど理解していない若造にとって、先輩たちと同レベルで話ができるはずはない。
いち早く契約をとりたい気持ちが先行し、電話営業はどんなやりかたがいいのか?迷走していた。
電話口の相手がどんな人なのかもわからない。
フルテンションで行け!と言われているので、とりあえずその通りやってみるか。
結局、打電数を増やして元気よく電話をしていくしか、当時の僕には考えられなかった。