2週間の新人研修も佳境に差し掛かり、最終合宿へ。

 

この合宿が終われば、各部署に配属される予定らしい。

 

 

持ち物は筆記用具と着替え、ジャージ。

 

朝7時ごろに集合し、2台の大型バスで千葉の山奥へ向かう。

 

 

約2時間ほどバスに揺られると、山奥の研修施設に到着。

 

 

昼食までは講義を聞く研修。

 

昼食前にチーム分けをされ、チームごとにお弁当を食べた。

 

 

 

午後からの研修が始まる直前、遠くの方から大声が聞こえてくる!

 

「なんだ?」

 

と思って周りを見渡すと、同期の大半が不安そうな顔をする中、人事部の担当者はニヤけ顔。

 

 

13:00になり、研修が始まると、1年上の先輩二人が入場。

 

声の主は、その先輩だったのだ。

 

 

「午後からは声出しの研修をするからね。

 

チーム分けして、全員が合格にならなければ、そのチームは夕食も無しだし、睡眠時間も削られるからね。

 

とりあえず、見本をみせてもらうから」

 

 

 

そういわれ、2人の先輩が、大きな体を震わせながら、全身全霊で大声を出す。

 

 

同期一同、全員無言だ。

 

そして、A41枚の紙が配られる。

 

そこには京都大仙院・尾関宗園和尚の「今こそ出発点」が書かれてあった。

 

 

「とりあえず、これを暗記してね。覚えないと話にならないからね。

 

向うの部屋がテスト部屋だから、準備ができた人から入ってきてね。」

 

と講師が言い放つ。

 

関西で学生生活をしてきた僕にとって、このときの標準語は今までにないほど冷たさを感じた。