雑談をしている最中はにこやかな表情をみせた奥さん。
マンション経営の本題に入った時から、急に表情がこわばったように感じた。
N次長「節税をしながら将来の年金対策ができるという話をしましたが、実はもう一つメリットあります。」
奥さん「・・・」
N次長「お仕事がらご承知かもしれませんが、団体信用生命保険ってご存じでしょうか?」
奥さん「もちろん知っています。」
N次長「そうですよね。もし万が一契約者、課長のお体になにかあった場合、この借入が保険おり、ご家族には負債が残らないという制度です」
奥さん「ええ、自宅でも加入しています。」
保険の仕事をしているだけあり、内容については詳しいのかな?と、憶測で感じていた。
N次長「毎月、家賃と支払いの差額が1万円くらい生じますが、当面・おそらく60歳のお仕事をされているくらいまでの間は節税効果が見込めるのではないかと思います。」
奥さん「・・・」
保険の話の部分では口を開かれたが、また口を閉ざし、黙ってしまった。