採点の山が昨日訪れたが、残りの5枚は何とか終えた。その中で、「え?小学生相手にこんな問題を出すの?」というのが都立武蔵の問題であったので紹介したい。

 

 2019年の適性IIIで、ペーパークロマトグラフィーの問題があった。ペーパークロマトグラフィーとは、水によって流されやすい物質かそうでないか(或いは、紙に吸着しにくい物質かそうでないか)によって物質を分けることができる実験である。例えば、水性インクで紙の上に文字を書いた後しばらく放置しておくと、にじんでくる。にじみは上記の説明により起こる現象である。その技術を用いれば、水性インクの中の複数の成分を分けることができるというものである。そこまでの内容ならサイエンスフロンティア中学の入試問題でも出たそうだ。

http://www.musashi-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/content/000271429.pdf

 

 問題はその先。都立武蔵の問題では、紙と同じ物質の粉をガラス管に流してカラムを作り、そこに上から水を流すとどんな順番で物質が流れ出てくるかをヒントなしで聞いている。ペーパークロマトグラフィーでたくさん移動した物質ほど水によって流されやすいので先に出てくるというものなのだが、これはちょっと小学生にはきつくないですかというのが私の正直な感想である。高校生の化学で出しても、解けない生徒は続出する。ただ、こんな問題が出ていても、適性I~IIIの合格最低点は6割くらいらしい。そんなに難しい問題が出ても、それなりに取らないと合格しないらしい。恐るべし都立武蔵。私が小学生だったら、絶対そんな問題解けないわ。