月1度の化学の集まり。本日国立や私立の大学入試問題の分析が行われました。

 京都大学は確かに今年の問題はぬるいらしい。試験時間内に11か所の訂正、2問の問題削除があったことはYahooニュースでも話題になったが、今回の問題、質量を使った熱量に関する問題なのに単位が載ってない。これでは問題は成立してないのでは、と。かつてはいい問題を出していた京都大学だけに、出題でこれだけミスが起きまくっているのは残念、とのこと。

 

 東京大学は、内容は毎年易しくなっているそうだ。女子を入れたい狙いがあるのではないか、とのこと。

 

 他同位体で成り立つ分子の存在比率、ファンデルワールスの状態方程式(実在気体の状態方程式。慶応、同志社)、ラウールの法則(広島)、ボルンハーバーサイクル(早稲田、立教)、このあたりは発展内容だが出題されたとのこと。このあたりは、重要問題集などでも見覚えはある。反応速度に関するミカエリス・メンテンの式も薬学系などで見かける問題だが、これは慶応看護で出題。

 

 有機化学については、発展内容の配向性、立体異性体の数、不飽和度は当たり前に出題。

 

 環境系の問題も、メタンハイドレードの問題(東京医科歯科)、ポリ乳酸(同志社、静岡)、バイオディーゼル燃料(大阪、九州)で出題。環境に関する単語も出題されている。環境に関する勉強も必要みたいだ。

 

 早稲田でリチウムイオン電池の化学反応式を出したらしい。

 

 それから入試に3.11東日本大震災の影響が。半減期に関する計算問題が出たそうだ。今は化学基礎の教科書でも発展内容で扱われている(早稲田・名古屋)。

 

 会場で笑いが起きたのは東京医科歯科大学のマススペクトルの問題。問題のレベルは全然笑えないほど難しいのだが、その対象物質がなんとサリン。今はサリンを試験問題に出しても問題は起きないのだな。

 

 そして、驚きは関西学院大学で、まさかの有効数字の計算問題。計算問題が化学で出題。「入学してくる学生があまりに有効数字の計算ができないから、困って出したのではないか」とのこと。

 

 調べてくれた先生、貴重な情報ありがとうございます!