北政所ねね400年遠忌事業

高台寺 meets Soul Music 上田正樹 Special Live

【Part1】

 

7月11日に京都の高台寺で、スペシャルなイベントを行いました。

ちょっとその様子について書いてみます。

 

7月10 日の昼に京都東山区の高台寺に着く。
今回はライブ会場を含めて、広大な高台寺の境内各箇所6ヵ所で6曲歌い演奏し、最後に訳60分強のセッションライブを行う。境内での演奏は生声と楽器の生の響きを極力生かし、風景と共にオンラインでお届けするというコンセプトだ。

まずは高台寺に着き次第、演奏予定の場所を一つずつ歩いてまわった。
まるで山登りの様な移動行程だが、

一つずつの建物・風景にはそれぞれに趣きがある。
いろいろな想いを馳せる。

11日ライブストリーミングのスタート
高台寺の敷地の中の重要文化財である二階建ての茶室『時雨亭』から始まる。

北政所ねねがおよそ400年前に、大坂夏の陣での大阪城落城による煙をこの部屋から見ていたといわれている…豊臣秀吉と築き上げた豊臣家の、また秀吉との思い出が詰まっていた大阪城…おそらく彼女の人生の中で、最も悲しい時だったかも知れない。

僕は、ねねさんの魂が、少しでも安らぐようにとの思いでこのプロジェクトの1曲目に
『Beethoven Symphony No.9』(ベートーベン 第九)を
僕なりの解釈で、R&B風に仕立てたアレンジでギターでの弾き語りをチョイスした。

 Sun is shine  The wind is blow
 Good is good and evil know …

 

と歌う直ぐ横で鳥が鳴いた。

時雨亭での演奏後、階段を降りて、直ぐ隣に隣接する『傘亭』に。
この茶室は、伏見城の池に面した水辺にあったものを、

高台寺の境内の山の上まで運んだという。
その家の土間は舟の舳先を直接付けられ、直接入室出来ることができたという。
そこからも舟入口とも呼ばれている。

そこには有山じゅんじが、アコースティックギターを持って笑顔で待っていた。
ここでの演奏は2人の『The Dock of the Bay』をチョイス。

 Sittin’ in the mornin’ sun
 I’ll be sittin’ when the evenin’ comes …

有山のギターが、いつも以上に素晴らしい!
ギターがいい感じのグルーヴを奏でている。
締まった低弦の響きが、ビッビッと弾ける様なグルーヴを生みだしている!。
サビの歌詞がこの場所とシンクロしてくる。

 

 Look like nothin’s gonna change , Everything still remains the same …
 (見てごらん、何も変わっていない、すべては、同じままなんだ…)

傘亭も400年の時を経て、そのまま残っている!

エンディングは、海のカモメのように、2人で口笛を吹いた。
演奏後有山がボソッと「400年の音がするな…」と言った。
思えば僕と有山は、50年近く歌を歌いつなげてきた。
感慨深さを感じた。

傘亭を出て、少し下って行くと大きな素晴らしい竹林がある。
次のステージはここだ。

竹林ではSinger Yoshie.N と、ピアニスト堺敦生が待っていた。
3人で少し話していると、空で雷が鳴った。
「今から、歌うから、少し待っててね。」と思わず空を見上げ話しかける。

この竹林のステージではアメリカ音楽の父と言われた、
フォスター(Stephen Collins Foster)の
『My Old Kentucky Home 』をチョイス。

堺くんのピアノが、竹林に染み渡るように流れる…。
竹林のアンビエント、なんて素晴らしいんだろう!
サビからYoshie.N が歌い出す

 Weep no more my sweet heart , Oh weep no more today …」
 ( もう泣かないで、私の大切な人…)

それに応えるように、竹林に響くYoshie.Nの声と蝉と鳥の泣き声が絡み合う様だ。
そして、堺くんの雄大なソロがまた素晴らしい。
フォスターの曲に、日本語の詞を作ってみた。

 いつでも、目を閉じれば、思い出せるから、
 あの夏の昼下がりのセミの声や歌が…

 いつも口ずさんでた、道を歩きながら…
 夕焼けに染まってみえた、好きだったあの子が…

 あの夏の日に帰ろう、夕焼けに染まる町へ…

竹林で、このシチュエーションで、この曲を歌えたことに感動している。

 

※写真はツイキャスプレミア配信からのスクリーンショットです。

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