レイチャールズの歌う、カントリー・ミュージックは沢山ある。

I can’t stop loving you (邦題:愛さずにはいられない)
Your cheating heart
Take these chains from my heart
Born to lose
You don’t know me
Crying time
Together again
Busted (邦題:打ちのめされて)
Take me home,country roads
などなど…

映画"Ray"でも触れていたが、1960年代からレイはたくさんのカントリー・ミュージック(ソング)を歌ってきた。

 

60年代といえば、まだアメリカ社会には人種差別色が深く感じられた時代にも関わらず、彼は白人を代表するとも思える曲(1950年代後半から1960年代前半にかけカントリー・ミュージックが人気であった)を、自分のレパートリーに取り入れた。

 

彼のほとんどのコンサートの2曲目は「Busted 」というカントリーの名曲。必ずといっていいくらい、レイはこの曲を歌う。アメリカ南部のジョージア州出身の彼は少年時代に視力を失い、またジョージア州が当時も行っていた黒人差別など様々な困難を乗り越えて来たと思うが、本当にレイしか出来ないだろうと思えるほどの素晴らしい表現でカントリー・ミュージックを歌う。

 

おそらく彼の中には音楽のジャンルも存在しなかったとさえ、リスナーに思わせるほど、たくさんのカントリー・ミュージックをレイチャールズ自身の曲のように仕上げていく。それはついに「カントリー・ソウル」とさえ表現された。

 

小さい時に聴いた曲への愛着がすべてを上回って、歌わずにはいられないとレイは、歌う。この時代は、同じジョージア州出身のマーティン・ルーサー・キングの公民権運動に始まり、あらゆる差別を無くそうと、たくさんの人たちが立ち上がり戦った。

 

マーティン・ルーサー・キングは、マハトマ・ガンディに啓蒙され、最後まで非暴力を貫いて、アフリカン・アメリカンの公民権を勝ち取り1964年、ついに公民権法が制定され、ノーベル平和賞を受賞するのだが、

1968年に凶弾に倒れ39才の若さで亡くなる。

レイチャールズの歌うカントリー・ミュージックが、どれだけ人種や民族を超えて、聴く人たちの心をひとつにしてきたのかと思うと、本当に誇りだと思う。
「I’m very proud of him ‼️」
僕の音楽の師匠は素晴らしい‼️

思い出す事はまだまだある...
僕が80年代にジョージア州のアトランタの空港に降りたった時、空港内でジョージア州歌、「ジョージア•オン•マイ•マインド」が流れていた。時差ボケが一瞬にして吹き飛んだ。

世界の音楽雑誌、ローリングストーン誌が選んだ「歴史上最も偉大なシンガーの第2位」がレイチャールズだ!(第1位は、アレサフランクリンです)

 

僕も名を連ねられるように、更に力強く歌い続けていきます。