Mr.Kenny Mosley .
 

ケニーと知り合ってから、もう35年になる。
 

チャカカーン(Chaka Khan)のいたバンド、Rufus(ルーファス)のベーシストだったBobby Watson(ボビーワトソン)に、凄いドラマーがいるよと紹介されたのがケニーだった。

 

ケニーと話してみたら、僕たちはその当時日本で最高のディスコだった赤坂のMugen(ムゲン)で、時期は微妙に違うが70年代の終わりにお互い演奏していたことがわかりそこから急速に仲良くなった。


ケニーと僕は、出会うと『こんなグルーヴ(Groove)は、どう?』と、いつも話し合っていた。思えば僕は、ベーシストに負けず劣らずこれまで沢山の素晴らしいドラマーとも一緒に演奏をする機会があったと思う。


アメリカのL.A では、Leon“Ndugu“Chancler (レオン•ンドゥグ•チャンクラー)、ニューヨークでは、バディ•マイルス(Buddy Miles)にSteve Gadd(スティーブ•ガッド)

ジャマイカのレゲェドラマーSly Dunbar(スライ・ダンバー)。

 

日本では、サウス・トゥ・サウスのグルーヴを作った正木五朗、憂歌団の島田和夫、West Road Blues Bandの松本照夫に、山城秀夫、村上”ポンタ”秀一、ロスアンゼルスでの第1回世界音楽祭で、一緒に演奏をしてくれて、受賞することが出来た、Marty Bracey (マーティ•ブレーシィ)、日野元彦氏…、思い出そうにも、数え切れない程の沢山の最高のドラマーと一緒に演奏してきた。


本当に、みんなに感謝している。

 

ケニーとは一時離れてはいた。ところが、数年前のある日、家のスタジオの整理をしている時に、彼と作ったリズムが沢山出てきた。

そのアイデアとグルーヴの素晴らしさに改めて気付くと、タイミングが良かったのか彼とコンタクトを取ることになった。

そして、紆余曲折を経て今は彼がこのチームに入ってくれている。

 

僕が思う最高のドラマーとは...何もしない...例えば、基本的なリズムの中にあるグルーヴが気持ちいいかどうか...つきつめて言うと、1拍を長くかんじさせるけどスピード感がある。ウーン...これこそミュージシャンならではの感覚で、言葉では表現できない部分だと思う。でも、これこそが基本だと思っている。
 

ケニーは以前は毎日ジムに通いボディビルダーのような体型だった。でも今は必要以上の筋肉は要らないとしなやかな身体つきになり、ドラムセットも最小限にシンプルにしている。これは彼がドラマーとして進化を続けているということだと思い、リスペクトしている。


今でもケニーと会うと時間の許す限り『こんなグルーヴは、どう?』とアイデアをぶつけ合っている。リズムは人類の歴史の一部だと言えるぐらい深く、そして未来につながっていくものだと思う。そして、進化を止まることを知らない彼のグルーヴは、いつも僕たちに勇気と元気を与えてくれる。


かつてなかった場所に、僕たちは向かおうと思っています。
生きる勇気と希望『Love and Happiness 』が僕たちの合言葉です。