白い薔薇の花束を60 | 嵐は宝物。相葉雅紀さんを愛でるブログ

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マトリョーシカこと、マトちゃんです。

嵐相葉雅紀さんが大好きです。

櫻葉erを卒業いたしましたが、櫻葉腐小説は残してあります。
嵐は宝物。ずっと待ってます。



スマホが鳴った。

もしかして…雅紀?


パッと立ち上がりソファーに放り投げていたスマホを、手に取る。


なんだ…母さん。



「…なに?」

『何しけた声してるの?』

「だから、何か用?」

『昨日の話』

「あぁ」

『あら?“ヤダよー”って言わないのね?』



今日一日雅紀と過ごして、俺の中で何か変わった気がしていた。

人の目を忍んで始めた高校生活。

智くんに守られて何とか静かに通ってた。

それでいいと思ってた。


だけど。

雅紀の親のコネを利用しようとした、俺。

両親の名前を利用したくなかった、俺。


矛盾だらけ。




智くんが心配そうに見ている。


『俳優業に復帰したいんでしょ?』

なんでこの人は、俺の気持ちが分かるんだろ?


『何かあったのね?』

「何もないよ」

『明日帰るから』

「分かった」

『素直すぎて怖いわ』

「………」

『翔。人はね、自分の理由でしか動かないからね?』

「……え?」

『私の都合で翔がこの仕事を“うん”と言わない様に、翔の都合で相手は動かないの。だから、翔が思う事をすればいいのよ』

「分かんねぇよ」

『相手を変えようと思ってもダメだからね。自分がどう動くか。それだけ。単純よ?』



じゃあね、と言ってた切れた。


自分が動くだけ?

雅紀を変えようとするんじゃなくて。


自分が変わる?





「翔くん。仕事の話?」

「そう」

「相葉って子。どうするの?」

えっ?

と智くんを見ると、さっきまでのギラギラした瞳じゃなくて。


小さい頃から知ってる、ふにゃふにゃな顔。


「翔くんの頭は、固いからなぁ」

んふふ、って笑う。



「どうしたいの?」

雅紀を抱きしめたい…。

“賭け”でも構わない。

それが始まりでも。


「答え出てんじゃない?」

柔らかい智くんの声が、胸の奥に響いて。



涙が出そうだった。



つづく