*全て妄想です













イジメ?……………和くんが?



「なんで…………」



座ろうか  とソファーに向かい合って座った。



「和くんは、ちょっと、勘がいいんだ。見えなくていいものが視えてしまう。まだ小さい頃は素直に口にしてしまって、気味の悪い子と言われてしまってね。松本も人には言ってはダメだと言い聞かせてたんだけどね……。
友達と遊んでて、不意に視てしまうと構えるし、口にしてしまうから………友達とは………ね。
それからだよ。イジメにあったのは。どんな風にイジメられてたのかは、詳しくは知らないけど、小学生だから酷い陰湿ではなかったが、言葉の暴力だったり、物を隠されたりしてな。

……可哀想に学校に行くのが怖くなった頃、大野くんが転校してきたんだ」



「大野くん……そんな頃から一緒だったんだ」



「そう。彼が来て 和くんのイジメを止めたんだ。『イジメなんてバカのやることだ』ってひと言でね。本当、そうだよな。
イジメは人を壊す。悪い方にしかいかない。
大野くんはそのひと言でイジメを止めさせたんだ。それでも隠れてやるやつは居た。けど、大野くんが守ってくれた」



そう言えば………大野くんはずっと和くんの側に居た。僕と和くんが話してる時も見守るように見ていた。



「それからずっと大野くんは和くんの側に居る。和くんが大切なんだろうね。和くんもまんざらじゃないみたいだし。ふふ。いいコンビだよ。
あ、もう和くんはイジメられてないから大丈夫だよ。もしそんなことがまたあっても、大野くんが居るし、和くんだってあの頃より強くなったよ」



そう言ってニコッと笑った。
うん。そうだね。





「………あの………僕に……お、おじい…」



もうひとつ、気になってたことを聞きたくて……でも上手く言えなくて……



「ああ、居るよ。もう亡くなったけどね。今度、一緒にお墓参り行くか?」



「!!………うん。行く」



分かってくれた………ちょっと、嬉しい。けど、そうか……………もう、居ないのか…。会いたかったな。……………ん?じゃあ…………



「仏壇はないの?」



「兄のところにある。お盆に一緒に行こう」



うん。と頷く。
父さんにお兄さんが居たのも初めて聞いた。
今年の夏は色々始めてばかりだけど、おじいちゃんおばあちゃんに会えなかったのは寂しいけど、ちょっと、嬉しいな……。
父さんが部屋からおじいちゃんとおばあちゃんの写真を見せてくれた。
優しそうに笑うふたりが写っていた。



「その写真、雅紀に上げるよ。俺より孫の雅紀が持ってた方がきっと喜ぶ。
さ、もう 部屋で休んできなさい」



うん。ありがとう と 僕は写真を持って部屋へ行った。









つづく