Nokiコレクションの中には中国の宮廷衣装や民族衣装、刺繍物などが多い。

 

その中には、清朝が滅亡した明治末以降、既に着用されなくなった衣装が日本に輸入されて再利用され、袋物になった物も含まれる。

 

今日はそんな和漢折衷的な袋物をいくつか紹介したい。

 

まずは、江戸末から明治初期の袋物から。

 

綴れ織の龍袍裂を使った袋物。

 

行龍(横向きの龍)の部分を切り取ったものだろう。銀金具も特徴的だ。

 

裏部分。この部分だけでも、昇り龍の勢いが感じられる。

 

全体では、

 

こんな感じ。

 

次も、

 

龍袍の刺繍裂の一部を使って制作された紙入れ。

 

中国吉祥文様が入っている。上の写真では、盤長文様が。

 

裏面には

 

宝傘と思われる文様が入っている。

 

開けると

 

法輪文様。

 

これは、

 

三越東京の木箱に収められている。

 

大正、昭和初期に中国宮廷裂を使用したおしゃれ小物が

当時の婦人たちの間で流行したのだろう。

 

なお、龍袍に表された中国の吉祥文様は、こちらをご参照。

 

中国の吉祥文様 龍袍(ちゅうごくのきっしょうもんよう りゅうほう) - 博物館ディクショナリー- 京都国立博物館 (kyohaku.go.jp)

 

ちなみに、このような物は、骨董市などで時折見かけることがある。

 

例えば、

 

この紙入れも、三越東京の木箱とセット。

 

 

裏側。

 

これらの裂には龍自体はいないので、龍袍の本物を見たことが無ければ、

龍袍を転用したもの、とはわからないだろう。

 

あとは、

 

これも龍袍裂、または補子(官位を示す胸章部分)から制作されたもの。

 

獅子の尻尾のような部位が見えるので、武官のものと思われる。

 

 

なお、これは文官の補子を使って制作されたもの。

日本 中国清朝期のrankbadgeを使ったパーティバッグ(19世紀後半~20世紀前半) | nokiのブログ (ameblo.jp)

 

このほか、

 

これはわかりやすい。綴れ織の龍袍の真ん中の正龍部分。

 

裏面

 

良く見るととぼけた感じ。

 

最後に、袋物に加工されず、衣装のまま保存された龍袍の正龍部分。

 

刺繍の龍

 

綴れ織の正龍。

 

縫取織の正龍。

 

今日はここまでにしたい。

 

Noki

ブログランキングに参加しています。

応援してくださる方、ぜひ写真のクリック

を宜しくお願いします。

にほんブログ村 美術ブログ 古美術・骨董へ

にほんブログ村