今日は、久々にNokiコレクションから一つ紹介したい。

(半年ぶりくらい?)

 

今日は・・・

 

舞楽人形、を紹介したい。

 

箱書きによると、この舞楽人形一式は、木村家四世の木村宗壽(背景不明)が、

壮年期に作らせて、龍護山に寄進したものらしい。

 

その後、大正4年、同氏八世の寛文が宗寿百年忌に龍護山から出して

仏前に備えた、とある。

(この他にも細かいことが色々書いているが、まだ解読できていない)

 

大正4年(1915年)に百年忌ということで、その百年前(1815年=文化12年)

に亡くなったときには、既に存在したはずなので、一応は文化年間作としたが、

もう少し古い可能性もある。いずれにせよ江戸後期の作だろう。

 

箱書にある龍護山も、愛媛、滋賀、福岡、千葉など日本各地にあるようで、

ここでいう龍護山がどこを指すのか、今日まだ残されているのかも不明である。

 

ただ、この時代にこれだけの物を作らせる財力からみても、普通の家ではない

ことは間違いないだろう。

 

なお、舞楽(ぶがく)とは・・・

 

中国や朝鮮から伝わって、平安時代に宮中の式楽として整えられた舞(まい)を伴う音楽のことで、雅楽(ががく)の一種です。雅楽には、舞がなく楽器のみの演奏の場合は、管弦(かんげん)と呼ばれました。
雅楽の演奏には、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)などの管楽器、鉦鼓(しょうこ)・太鼓(たいこ)・鼓(つつみ)などの打楽器、琴(きん)・琵琶(びわ)などの弦楽器が使われます。しかし、舞楽では弦楽器を使わずに管楽器と打楽器のみで演奏されます。
舞楽は、中国系の唐楽(とうがく)と朝鮮系の高麗楽(こまがく)とにわけられ、それぞれ左方(さほう)、右方(うほう)と呼ばれています。舞には、数人でゆったりと舞う「平舞(ひらまい)」・剣や鉾を手に勇壮に舞う「武舞(ぶまい)」・動きが躍動的な「走舞(はしりまい)」・子どもが演じる「童舞(わらべまい)」などの種類があります。演目は、左方と右方が対(つい)になった「番舞(つがいまい)」で構成されるのが本来的で、装束の色も左方が赤色系の、右方が緑色系のものを身にまとい、視覚的にも対になる形となっていました。

(三重県総合博物館のHPから抜粋)

 

舞楽は、皇室や公家文化として伝承され、今日でも、宮内庁や寺社のイベントで舞われている。

 

直近では、大河ドラマ「光る君へ」の世界が、「五節の舞」とか、かなり近いと思う。

 

前置きはここまでにして、コレクションから適宜紹介していきたい。

 

還城楽(右方)。一つ一つの人形はこのサイズ。小さい!

 

顔部分をアップすると

この迫力。

 

なお、面や衣裳も一つ一つ、オリジナル同様に制作されていて、外すこともできる。

(面を外すと男性の顔が現れる)

 

後ろ姿。

 

なお、箱にはこのように収められている。

 

 

 

一曲(左方)。この指の細かさにも注目!

 

一曲(右方)

 

先ほどの舞楽紹介で、

「演目は、左方と右方が対(つい)になった「番舞(つがいまい)」で構成されるのが

本来的で、装束の色も左方が赤色系の、右方が緑色系のものを身にまとい、視覚的にも

対になる形となっていました。」

 

とあったが、その通りの構成になっている。

 

また、舞楽で花形というと、

 

やはり蘭陵王。

 

蘭陵王は、西暦600年頃の中国南北朝時代に実在した将軍で、

超絶美男子だったため、仮面をつけて戦った、と言われている。

 

この人形一式では、

 

こんな感じ。ここでは衣裳の地紋に注目。

 

なお、面を取ると、

 

やはり美男子。

 

そして蘭陵王の対舞として、

 

こちらの納曽利(なそり)

 

また、

 

この胡蝶(童舞)、迦陵頻(童舞)も、代表的な舞としてよく見かける。

 

後ろ姿。

 

参考資料から、迦陵頻。

 

 

 

また、

こうセットすると、本当の舞台みたい。

 

採桑老

 

参考資料から、採桑老。

 

 

参考

 

また、大太鼓も

 

忠実に再現されている。

 

 

本当に良くできているなあ。

 

最後に・・・

 

写真は保存状態が良い物をアングルに拘って撮影しているので、わかりにくい

と思うが、一部の人形は黒の衣裳部分に鉄媒染を使用しているため、衣装が

ボロボロになってしまったものもある・・・

(今回、登場させていない人形数体)

 

時代の経過で致し方ないのだが、非常に残念だ。

また、今後の保存の課題でもある。

 

それでも200年以上前の物を、ここまでの保存状態で保っているのも

既に凄いとは思う。

 

今日はここまでにしたい。

 

Noki

 

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