一昨日ぐらいに、芸能界での生き方的な投稿をしたんですが、その中で僕の話した、


「プロ意識」


という部分なんですが、とても共感出来る記事を見つけたので、ぜひ皆様にもご覧頂きたいと思います(^-^)

またちょっと長いですけどね(笑)


内容は「俳優」という職業にフィーチャーしたものになっているんですが、「プロ意識」ってこういうのものだと思うんですよね。

こうやって、「本物」の表現者となる気がします。




ー俳優ー
美形の人たちがお芝居をする仕事。
多額のギャラをもらい、皆にチヤホヤされる存在と羨む人が多いだろう。

でも、現実は違う。
恵まれているのは本当に一握りの人達であり、ほとんどは食うや食わずで、アルバイトをしながら俳優業を続けている。

オーディションで合格すると、あるいは出演依頼が来るとアルバイトを休み、撮影に参加する。
1週間の撮影であっても時間をかけて役作りをせねばならない。
台詞を完璧に覚えるのは当然。
その役はどんな性格の人で、どんな経験をして、なぜ、そんな行動を取るのか?その背景や心理を徹底して考える。
シナリオには書かれていない部分まで想像しないと、役を演じることはできない。

これが舞台なら何ヶ月も練習があり、その間に演出家から指導を受けて役作りができる。(とは言え、舞台も映画も俳優の責任がとてつもなく重いのは同じだ)

が、映画の場合は監督と会えるのが衣装合わせのみということが多い。
そこで衣装を決めながら、短い時間、役について話をする。質問をする。説明を受ける。それだけで次は撮影なのだ。

もし、俳優が役の解釈を間違ったまま撮影に臨んだ場合。監督に「全然違う!」と言われる。
その段で役柄を直すのは至難の技。まず不可能だ。
だからこそ、真剣に役作りをし、撮影に臨む。
そこで勘違いな役を演じたら、
「あいつはシナリオが読めないんだよな。何であんな演技になるんだよ!」
と思われ二度と、依頼は来ない。

だから、疑問点があれば、メールでも、電話でも、手紙ででも、監督に質問をぶつけ、問題を解決。役作りを完全に行う。

こんなケースもある。
撮影直前に親が入院した。命に関わる病気だ。気が気で無い。
でも、俳優は役作りをし、撮影に臨まなければならない。

「親の死に目に会えない」
といわれるのが俳優業。
親が死んでも、その日の撮影や舞台は行われる。
多くのスタッフ&キャストや観客が集まるので、自分の都合で欠席はできない。小さな役でも、その1人が現場に行かねば撮影も、舞台もできないからだ。

だから、親が危篤でも俳優は病院に駆けつけられない。

見た目は派手な仕事に見えるが俳優業というのは、過酷な仕事なのである。
自分1人がいないだけで、皆が迷惑するだけでなく、多額の費用も飛んでしまう。
映画撮影でも、舞台でも、個人で賠償できる額ではない。
また、何よりも舞台ならお客さんを裏切ることになる。芝居を楽しみに時間を割いて来たのだから公演中止にはできない。
撮影なら、共演者にも迷惑をかける。相手がいなければ芝居はできない。

だから、親が危篤であることを隠して現場に行く。
しかし、そこで演技に集中できず、台詞を思い出せなかったり、気持ちの入らない芝居をしてしまったら大変なことになる。監督からは厳しい注意を受ける。

それでも集中できず芝居ができなければどうなるのか?
黒澤明監督なら「撮影中止!」そう怒鳴って現場から帰ってしまう。
が、それならラッキー。
別日に撮影ができる。しかし、ほとんどの映画撮影は延期なんてありえない。
その日の撮影はその日に撮らないと巨額の赤字になるからだ。

芝居が駄目でも撮影はせねばならない。
だが、俳優が集中できない状態では監督が何をいっても駄目だ。特に役作りが中途半端で撮影に来ていたらもう終わり。駄目な演技を撮影するしかない。
あとでスタッフが悩む。ラッシュを見る。やっぱり駄目だ。使いものにならない。

「俳優○○さんは駄目だ!」
では済まない。映画自体のクオリティを落としてしまう。
そうならないように監督はその俳優の力量を把握し、信頼して依頼するのだが、ときには親の病気、彼氏に振られたという理由で、芝居ができなくなる役者がいる。そのために映画自体がとんでもない危機に見舞われるのである。

撮り直しをするには多額の予算がかかるので駄目。
他の俳優のスケジュールも全て調整せねばならない。実質的に無理なのだ。
できるのは、その俳優のシーンをできる限りカットすること。物語が壊れない程度(それが難しい)に切る。小さな役ならそれが可能だが、それなりの役だと厳しい。
が、1人だけ素人のような芝居をしている場面があると、映画全体を駄目にしてしまうのだ。

カットするということは、その俳優と共演した、同じ場面に出ている俳優の演技もカットせねばならない。
その日の撮影や照明の努力も無駄になる。その場面にしか出ていないエキストラの人もカットされる。
もの凄く多くの人が犠牲になる。

さらに、その俳優を応援している人たちも悲しむ。

「○○ちゃんの出番を楽しみにしていたのに、ちょっとしか出て来ない。どうして?」

家族が病気で演技に集中できなかったと知れば、同情するかもしれない。
でも他の俳優だって多くの人が応援している。
がんばって演じた場面が、1人の共演者のためにカットされる。その俳優にとって一生で一度のチャンスだったかもしれない。償うことはできない。その人の人生を潰すことにもなる。絶対に許されないこと。多くの人に迷惑をかけ、映画自体を駄目にすることに気づかないようでは俳優失格。もう仕事を続けてはいけない。

親が危篤ということだけでなく、撮影の日に高熱が出て動けないでも同じ。
彼氏に振られたなんて理由にもならない。
つまり、何があろうと撮影日には最高の状態で、役作りを完全にして臨まなければならないのだ。見た目にカッコよく、可愛く、皆にキャーキャーいわれて、気楽な商売だな?と思えるかもしれないが、俳優たちは多くの人の期待と、もの凄い責任を背負っている。
裏切ることなく、それに応えねばならない。
人生を賭けねばできない大変な職業。
それが俳優業という仕事なのである。



あなたには、ここまでの「覚悟」を決めれるものがありますか??




One Love☆
マサキ,