バロック時代のフランスを代表する作曲家、F.クープラン。
この人の作品に『神秘のバリケード』というのがある。
少し前、この『神秘のバリケード』の演奏に接したのだけれど、演奏者の方がこんなトークをされていました。
「この『神秘のバリケード』というのは、最近では、パニエであることが分かってきました。今日は、可愛らしいお嬢さんがパニエを揺らしながら歩いている微笑ましい姿を思い浮かべて弾きます」と。
僕も、『神秘のバリケード』は恐らくパニエやペチコートを指していると思うけれど、たぶん「微笑ましい姿」とは違うんじゃないかな…?
18世紀前半の女性の装いで、スカートからのぞくペチコート、揺れるパニエといって想像するのは、こういうシチュエーションなわけで……

(フラゴナール「ブランコ」)
つまり、『神秘のバリケード』は、こういう典型的「コケットリー(蠱惑的)」なシチュエ―ションを想起させる曲じゃないかな?と思うわけです。
このシチュエーションだと、当然、脚や足首にも意識がいくと思うけれど、それも当時としては相当にエロティックなことだった。
個人的には、この曲は、微笑ましいというよりは、むしろ、ある種の下ネタ、「艶笑(えんしょう)的なお色気」をほのめかしている気がしています。