こんばんは!!
今日からぼちぼち水中ドルフィンキックのことについて書いていきたいと思います
今日は、スイマーはなぜ水中ドルフィンキックを打つのかという
基本的なことについて説明します
まず、水中ドルフィンキックは、1980年 モスクワオリンピックの背泳ぎのレースで初めて披露され、何人かの選手が25m付近まで潜水したことにより
世に知れ渡ったと言われています。(出典①)
当時は水中ドルフィンキックの距離制限はなく、何mでも潜って良かったのですが1988年 ソウルオリンピックの100m背泳ぎで鈴木大地さんが30m近く潜行し
金メダルを獲得して以降ルール改正がなされ、現在はスタート•ターン後
15mまでの使用が認められています。
このようなルール改正が行われたことからも、水中ドルフィンキックが
水面を泳ぐよりも有利であることが分かります。
↑↑これが最初の問いの答えになってしまうのですが、これだけだと
じゃあ何で水面を泳ぐよりも有利なの??ってなりますよね??
お答え致します
理由① 造波抵抗の影響を受けない
泳者は水面や水中を進むとき、様々な抵抗を受けます。その中でも、造波抵抗
(水の上を動く物体が、波を作り出すことによって受ける抵抗)は
泳速度が高くなればなるほど、他の抵抗に比べ増加率がUPすると言われています。
そのため、スタート•ターン後など、速いスピードを出せている間は、水中を泳ぐ方が水から受ける抵抗を減らすことができます
また、LyttleさんとBlanslyさんが行った研究では、水深0.2mと0.4-0.6mにおける
けのび動作時の抵抗を比較したところ、水深0.4-0.6mでけのび動作を行った方が
抵抗が10%-20%減少したという報告がされています。(出典②)
それ以外にも、水深0.75mまでは抵抗が減るが、それよりも深くなると抵抗は一定になるという研究報告もあります。(出典③)
そのため、少なくとも水面より0.4m以上深い位置で水中ドルフィンキックを打つのがベストでしょう
理由② ストリームライン姿勢を維持したまま推進するため
泳いでいる時に一番抵抗が少ない姿勢は、この姿勢です!
水中ドルフィンキックは、他の泳ぎに比べてストリームライン姿勢をキープしながら泳げますよね?
それもひとつの理由になっていると僕は思います
まとめ
スイマーはなぜ水中ドルフィンキックを打つのかというと、
造波抵抗の影響を受けない水中で、最も抵抗の少ないストリームライン姿勢を維持したまま推進できるため!
って感じですかね
あくまでこれは、論文等を参考にした僕個人の意見ですので、
これ以外にもこういう理由があるぞ!!って人がいたら教えてください☺️
それでは
出典①:Counsilman, J. E.,& Counsilman, B. E. (1994). The new science of swimming (2nd ed). NJ: Prentice Hall.
出典②:Lyttle A Blanksby B, Elliot B, and Lyoyd D (1999) : Optimal depth for streamlined gliding. Proceedings of the Ⅷ Inter national Symposium on Biomechanics and Medicine in Swimming, Gummerus Printing Jyvaskyla: 165-170
出典③:Novais, M., Silva, A et al., (2012): The effect of depth on drag during the streamlined glide: A three-dementional CFD analysis. Journal of Human Kinetics, 3355-62