2024年、1冊目に読んだ本のご紹介です。
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この本を手に取ったきっかけはある動画ですね。といいますのが、先月たまたま元DeNAの坂井風太さんの組織開発に関するYouTube動画をいろいろ見ていて「そうだよなぁ」と強く共感しまして、その中でオススメの本の1冊としてこの本が紹介されていたんですね。そんな経緯から手に取ってみました。
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この本はそのタイトルにあるとおり「能力ってなんぞや？」ということに関して掘り下げていく本なんですけど、ほんと、今の我々は「能力」に振り回される時代を生きていますよね。「これからは〇〇力が必要だ」と世間から煽られたり、「おまえは〇〇力が足りない」と上司からダメだしを受けたり。
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で、この本で一番問題としているのは、その能力を発揮できていない状態を個人のせい、自己責任としている点なんですね。
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さきほどあえて「能力のなさ」ではなく「能力を発揮できていない状態」と書いたんですけど、「能力がない」というのはある個人が主観的に、相手に対して勝手にラベルを貼っているだけだったりします。
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「本当は、その人は能力を持っているのに、その能力を発揮できる環境が整えられていないがために、その能力を発揮できていない」という状況は往々にしてよくある話です。人の能力というのは、他者との関係性の中で発揮できたり、発揮できなかったりする動的なものなので、能力のあり・なしを個人の問題だけにフォーカスするのはあまりにも狭い視野での考え方だということです。
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もちろん「一定の個人技」としての能力がその個人に備わっていることは前提条件ですが、よくあるのは「問題は環境に起因しているケース」ということなんですね。
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それを指し示すシンプルな事例は、ある人が社内のある組織では全然評価されず、次に異動した組織ではめっちゃ評価されるという事例です。私も過去の経験で実際にそういうことはありました。この事例が示すことは、個人はそんな短期間で激変することはないので、個人の能力は何も変わっていないにもかかわらず、組織によってその能力に対する評価が変わってくるということですね。
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ということは、「能力が発揮できていない要因」というのは、個人にあるのではなく、環境（組織）にあると考えるのがベターだということです。
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そんな考えから、この本では「組織の業績を上げるための最重要要素は何か」という問いに対し、「組織風土だ」という「組織開発業界の一般解」が紹介されているわけですが、つまり「能力を発揮しやすい風土を作ることができれば、各人がもっている能力をちゃんと発揮できるようになるので、成果が出て、業績が上がる」ということですね。
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そしてこの組織風土の考え方を聞いて、昨年読んだ「全員戦力化」を思い出しました。あの本では、「組織能力よりも組織力が大事だ」と紹介されていましたが、その組織力というものは「各々が力を伸ばしたり、発揮したりしやすくするための土壌のようなもの」と紹介されていたような気がします。そんな組織力が高まって初めて、「組織能力」も高まっていくのだと。言っていることは今回の本とかなり重なるような気がします。
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じゃあそんな組織風土はどのように作ればいいのか、という点については今回の本には書かれていませんでしたが（著者が本当に伝えたいメッセージは別のところにあったので）、全員戦力化には確か７つのポイントが紹介されていたので、また読み返してみたいと思います。
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と、ひとまず一番印象に残った「組織風土」のところについてご紹介してみましたが、この本はそもそも、現在闘病中の著者の勅使河原さんが、「今まだ幼い子供たちが将来大人になったときにこれだけは伝えたい」という想いで書かれた本です。
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ですので、勅使河原さんが一番伝えたいところは「組織風土」のところではなく、「子供たちにはたくましく生きていってほしい」というメッセージであり、途中から話はいろんな方面に展開していって、「それはつまりこういうこと」とまとめるのはなかなか難しいと感じました。なので、その点については今回はまとめません。
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ただ、
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▼「能力を発揮できるかどうか」は個人だけに起因するものではなく、環境に強く影響を受ける
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▼だから個人に「〇〇力を上げろ」と指示するだけの方策では解決にならない
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▼むしろ「能力を発揮しやすい環境」を整えていくほうが得策であるケースのほうが多い
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という点だけでも、本当に大事なことだよなと思ったので、備忘録がてらご紹介してみました。
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その他、どんなことが書かれているのか気になった方は、ぜひこの本を手に取ってみていただければと思います。
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今日も読んでいただき、ありがとうございます😊
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