本日の記事は書籍「ニュータイプの時代」【その2】です。​


今回は「個人のキャリア」に関するテーマで印象に残ったところをシェアしたいと思います。​




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「ポジショニング」の大切さ​
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日本では「〇〇一筋〇〇年」とか、「置かれた場所で咲きなさい」といった感じで、「1つの場所で ”一所懸命” に頑張ること」が美徳として語られることが多いですよね。​


といったらここからそれをディスる話が始まりそうですが、私もそういうのは嫌いじゃないです(笑)​


例えば私が15年以上応援しているJリーグの川崎フロンターレというチーム。​
その「フロンターレ一筋18年」でプレーしてきて、今やレジェンドとなった中村憲剛選手のことは大好きですし、彼が一時期海外からオファーがありながらも一度も移籍することなくフロンターレでのキャリアを貫いてくれたことは、1サポーターとして本当に嬉しいことだったりします。​


ただ、これからの時代のキャリアを考えたときにはですね、その「呪縛」にとらわれているとちょっとしんどくなってしまう、というのは多くの方が大なり小なり感じているのではないかと思います。​


といいますのも、みなさん「なんだかそういう社会環境になってきている」というのを肌で感じてきていると思うんですね。​


この「ニュータイプの時代」の第1章では「なぜニュータイプ的な生き方に転換する必要があるのか」という視点で「社会のVUCA化」や「寿命の伸長と事業の短命化」といった我々を取り巻く社会環境について書かれているのですが、まさにそういったことを肌で感じているからこそ「 ” 一所懸命にひたすら邁進 ” だけではこれからは厳しい」と感じているんじゃないかと思います。​


じゃあそういう時代にどういうキャリア観を持てばいいのかというと、​

「個人としてのポジショニング戦略」​

をしっかり考えていきましょう!ということなんですね。​


そのことについて、この本ではiPS細胞の山中教授の例を紹介しています。​


山中教授は元々スポーツ整形の外科医を目指していたんですけど、手術のあまりの下手さに「向いていない」と判断し、2年でその道をあきらめて別の道に進みます。​
そして次に進んだ道も向いていないことがわかるのですが、そこで出会ったES細胞に強い関心を持ち、そこからES細胞研究への道に進み、iPS細胞の発見へとつながったとのことです。​


つまるところ、「一か所に留まって闇雲に努力する」ではなく、自分の「得手・不得手」を認識し、いろいろ試しながら自分と相性のよい活動の場所を選んでいきましょう、ということですね。​
まあこれはよく言われていることでもあるので「そうだよね」という感じかと思います。​


そしてこの話の中から著者の山口さんが注目しているもう1つの点が、スポーツ整形外科の道をあきらめた「2年」という期間です。​


医学のキャリアとして「2年で進むべき道を見切る」というと、私もそうですが「かなり短いな」と感じる方も多いのではないでしょうか。​
ですがこの山中先生の事例から、「これは違うな」と確信を得たら「早期に見切る」という勇気がこれからは大事なのかもしれないということですね。​


たとえば十数年勤めた会社を辞めて、決意新たに転職することってあるじゃないですか。​


でも働いてみた結果、比較的早い時期に「思ってたのと違ったーーー!(/o\)」といったケースもあると思うんですね。​


そのときどうするかなんです。​


明らかに「ここじゃない!」と思っていても、​

「転職して半年で辞めるってカッコ悪いよな」​
「普通、転職したら最低2~3年くらいやるよな」​

という感じで、「他者からどう見られるか」を気にしてズルズルいってしまうケース、あるんじゃないかと思います。​


そうなってしまうと結果として貴重な時間を無駄にしてしまったり、悪いケースではストレスを抱えながら働き続けて精神を病んでしまう、といったことになりかねません。​


ということで、キャリアのポジショニングを考えていく際には​


「いろいろ試すつもりで、自分に合った場所を ” 軽やかな姿勢で ” 探していく」​


ということも大事だということなんですね。​


またこういう話をすると逆に、転職を繰り返す人を見て「もう少し腰を据えてやればモノになるのに」と思っている方もいると思います。​


まあそこはバランス論ですよね(笑)。​


そういう「コロコロと腰が定まらない方」は「もう少し腰を据えてやってみよう」が適正なアドバイスになると思います。​
ただ、日本ではどちらかというと「置かれた場所で咲きなさい」の呪縛が強めの人が多いんじゃないかと思いますので、そんな方々にはこの「ニュータイプの時代」で書かれている​

「自分の適性にあったポジションを、軽やかな姿勢で探り続ける」​


というポジショニング戦略が大事なんじゃないかと思い、ご紹介させていただきました。​



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「好奇心」の大切さ​
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ここまでの「キャリアのポジショニング戦略」の話は、自分の「得意・不得意」に合わせたポジショニングという意味合いだったのですが、この本ではキャリアのポジショニング戦略を考えるうえでもう1つ大事な視点が書かれています。​


それは「好奇心」です。​


その視点を考えるにあたって、この本ではその事例として「ネットビジネスの覇権を誰が握ったか」の話が紹介されています。​


それは​

「ヒト・モノ・カネが潤沢にそろっていた大企業がベンチャー企業になぜ勝てなかったのか」という話なんですけれども、その要因は​

「関わっていた人のモチベーションが違ったから」​

と山口さんは仰っています。​


ベンチャー企業で関わっていた人はその事業そのものに「強烈な好奇心」を抱いていて、つまり​

「内発的動機がハンパない状態」​

で関わっていました。​


一方リソースが潤沢な大企業で関わっていた人は「とても優秀な人材」であるものの、「うまくいけば昇級」という外発的動機で動いている人たちであり​

「内発的動機はそこまでない状態」​

で関わっていたという構図ですね。​


その結果、ネットの覇権はどっちが握ったかというとみなさん自明のとおりですが、ここで私が思い出したのが​

「努力は熱狂に勝てない」​

という言葉です。​


このベンチャー企業の事例のように好奇心ゴリゴリでのめりこんでいる人の取り組み姿勢はそれこそ「熱狂レベル」なんですよね。​


そういう人は周りからみると「すごく努力してるなー」というふうに見えるんですけど、本人はのめりこんでやっているだけなので努力とは思っていない、そんな状況なんだと思います。​


そういう人に対して「上からの指示」でやっている人はどうしても「心の燃料」が枯渇してしまうので、スタート時点でリソースでは上回っていても最終的には勝てない、ということなんだと思います。​


そんな熱狂を生む元となる「好奇心」なのですが、これが重要になるのはライフシフトにおいても同じです。​


80歳まで働かざるを得ない人生100年時代に、好奇心という内発的動機がないことをやり続けていくのは精神的に無理がありますからね。​


そういう意味でもこの「ニュータイプの時代」で言われている「好奇心」はこれからものすごく大事になってきますので​


「自分はどんなことに好奇心を持っているのか」​


と、自分に問いかけるところから始めていきましょう!​




ということで、本日は「ニュータイプの時代」(その②)ということで、「個人のキャリア」に関するテーマで印象に残ったところをご紹介させていただきました。​
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みなさんにとって今日の記事が少しでも参考になれば幸いです。​
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