/050.COLT S.A.A. FLATTOP.45 SPECIAL (Vol.2)
S.A.A.にフラット・トップ・モデルが登場したのは1887年、前々回紹介したシェリフズ・モデルの翌年ということになります。名前の通りフレームの上面は平らになり簡易的ながら左右の調整が可能なリアサイトが付けられ、バレルにはランプ付きのフロントサイトが装備されました。
モデルガンはハドソン製、スペシャル・オーダー5と名づけられた特注品です。実銃でも5インチ・モデルは標準ではなくオーダー品だったようです。
左側面。いつものようにHW部はブルーイング、亜鉛部もリブルー。
右側面、フレームは疑似ケース・ハードゥン(光ってしまってわかりにくいですね)。
ツーピースですが、非常に美しい彫刻が入れられた木製グリップ。実銃用のグリップを造っているアルタモント社のものだと思われますが、もし正確な情報がありましたらコメントいただけるとありがたいです。
グリップ右面。本当にきれいです。
フロントサイトは亜鉛製。
現代のフル・アジャスタブルなサイトを見慣れてくると何とも華奢なリアサイトに感じますが当時としては十分見やすいサイトだったのでしょう。
リアサイト右面。
名前の由来でもあるフレーム・トップ。ややピンボケで申し訳ない。
バレル上面にコルトのアドレス。
バレル左は通常のSAAの刻印ではなく.45 COLTと仕様弾丸の表示。
フレームにはパテント取得年月日の刻印。右側のランパントに〇が入れられているので1890以降の製品であるとわかります。
同じハドソン製の4 3/4インチモデル(左)との比較。
ハンマーはサイドをミラーフィニッシュしたタイプではなくケース・ハードゥン風にしてみました。
通常SAAとフラット・トップの上面の違い。通常版は真ん中の溝の最後端の小さな切り欠きがリアサイトになるわけです。
ここでちょっと考察・・・当時のハンドガンの役割は近距離からの射撃になるので主に腰だめで、サイトは目線の高さでリアとフロントを合わせるのではなく、上からの目視でフレーム上の溝とバレル先端のフロント・サイトを結ぶ直線上に対象物を合わせる感じで行われていたのではないかと思われます。したがってフラット・トップのように別付けのリアサイトは競技用の仕上げだったのかもしれません。
というわけで今回はS.A.A.のフラットトップ・モデルでした。
次回は久しぶりに新作でS.A.A.のスカウトモデルです。