036. COLT No.1 NATIONEL DERRINGER (Vol.2)

 

 

        

 

デリンジャーと呼ばれた護身用小型ピストルが生まれたのは1825年のことでした。フィラデルフィアのガンスミス、ヘンリー・デリンジャーがデザインしたのでこの名前があります。

シングルショット・マズル・ローダー・パーカッション・ピストルは後々フィラデルフィア・デリンジャーと呼ばれ1850年代小型ピストルの代名詞としてデリンジャーの名は定着していきました。1865年4月オリジナル・デリンジャーがリンカーン暗殺に使われデリンジャーの名前は一躍有名になりました。

 

1860年代末、ニューヨークのマンハッタンにあったナショナル・アームズはD・ムーアがデザイン1863年にパテントを得た小型シングルショット・ピストル、口径.41リムファイアをナショナル・デリンジャーという商品名でNo.1とNo.2の2種類を販売しこのクラスではトップクラスの評判を得ていました。コルト社は1870年代はじめナショナル・アームズ社を買収しこのクラスの銃に実績のなかったこともありナショナル・アームズ社のモデルにコルトの冠を載せる形でコルト・No.1・ナショナルデリンジャー、同No.2・ナショナル・デリンジャーとして販売を開始し好評をえました。コルト・デリンジャーの系譜はその後自社デザイナーが手掛けたNo.3に引き継がれここでナショナルの名称は消され単にコルトNo.3デリンジャーとして販売されました。

 

 

 

       

 

上の画像が実銃のNo.1ナショナル・デリンジャーで、頑住吉氏がフルスクラッチで造り上げ複製のキット・モデルや完成品を販売していたNo.2ナショナル・デリンジャーと非常によく似たモデルなのですが、特徴的なのはフレームとグリップが一体成型されグリップパネルも存在しないところでしょう。

 

 というわけでNo.1はNo.2と基本設計がほぼ同一なので今では超貴重品となっている頑住吉氏のNo.2をベースに改造するという暴挙に出てしまいました。

 

作り方はNo.2のグリップ部を切断し画像に合わせる形でグリップ部をカーブさせて再接着形状を修正してそれに合わせるようにグリップパネルを分割したものを張り合わせ、細かい隙間にはプラの粉末を埋め込んで最終的にもう一度形状を整えました。

 

 

 

        

 

ナショナル・デリンジャーはNo.1もNo.2もフレームにはきれいな彫刻が入れられているのですが、No.2の時はそちらの再現は断念したので今回はチャレンジの意味でやってみることにしました。ハンマー軸周りの彫刻はこちらの右面の方がいい感じかも・・・?グリップ部のパイナップルみたいな彫刻は何なのでしょう。ちなみにその上にうっすら見える◎は元グリップの金属部です^^;、

 

 

                 

 

 左面のグリップと彫刻・・・こちらはやや線が汚いですね。そしてグリップ部には謎のパイナップル。フレーム上側のカーブも実銃画像にあわせて強めにしたのでハンマー後端がやや浮いていました。最初にブログを書いてからハンマー形状を修正したので仕上げが他の画像と違うのがわかるでしょうか。

 

 

        

 

ラッチを外してバレルを起こしリムファイアーのリム部を見たところ。こちらの画像もハンマー形状修正後のものです。

 

 

       

 

 N0.2が全体をニッケル処理したモデルにしたので、こちらはバレル部はスティールのままのものを再現してみました。仕上げは悩んだのですが今回はマットブラックの磨き上げにしてあります。

 

 

                    

 

 元々のNo.2はコルトのアドレスの後ろにNo.2の刻印が入っていたので、埋めてNo.1に。

 

 

        

 

           左がNo.1、右がNo.2ナショナル・デリンジャーです。

 

 

        

      

                 同右面。

 

 

        

 

                    コルト・デリンジャー3種。

 

 

 

       

 

 ケースは頑住吉さんが販売時に入れてくれていた木製のものをベースに・・蓋は中が見えるようにポリエステルの天板付きだったので同じ厚さの無垢板に交換。購入時におまけでついてきたMULE社の.41リムファイアーのダミーカートを並べて。

 

 

       

 

        水性のニスで仕上げたので大分ごっつい感じになりました。

 

 

 

       

 

 保護用の紙筒も販売時のものをラベルを変えて流用・・・すいませんこれも転売はしませんのでご容赦を。

 

        

 

 

           以上コルト・No.1・ナショナル・デリンジャーでした。

 

 

 

 

 

 

 

           次回はコルト・No.2  ナショナル・デリンジャーです。