051. COLT FRONTER SCOUT .22LR

 

                          

 

 1950年代初期にスターム・ルガー社が.22口径のS.A.A.を売り出して大うけしたことを受け本家コルト社も遅れてはならじと.22口径の安価なS.A.A.の制作を決意しました。1951年に発表されたフロンティア・スカウトQモデルと1960年に発表されたヘビーバレルのKシリーズ’62などがそれにあたります。

 

 

画像だけで見ると通常のS.A.A.にそっくりで見分けがつきにくいのですが通常版が.45コルトの大口径なのに対して.22LRという小口径のを使用する関係でシリンダーやバレルはその分小さく出来ています。

 

       

 

ちなみに上の画像が実銃のスカウト・モデルです。単体での画像はS.A.A.と見分けがつきにくいですね。

 

 

僕の記憶ではこのスカウト・モデルは日本のメーカーからは一度も販売されたことはなく、カスタムを造るにしても通常のS.A.A.からでは不可能な状況でした。ですが最近.32口径のライトニングをHWSさんが販売してくれたのでそちらのフレームを転用して造ることにしました。

 

 

基本となるサイズを確定するため実銃のスカウト用のグリップを入手しそれに合わせてバックストラップとトリガーガードを一体化したグリップフレームをLSのプラモデルのS.A.A.のプラ部品から形状修正して造りました。

 

 

        

 

 バレルとシリンダーは.45のものよりだいぶ小さいのですがグリップ自体はそれほどの違いはありません。グリップ上部に段差があるのが特徴的ですね。

 

 

       

 

       

 

グリップフレームとシリンダー・カバー部をつなぐ個所は通常のS.A.A.のそれと異なり一体形成されており、そのためワンピースのグリップは付けられないようです。ハンマーもライトニングのものはS.A.A.とは違っているのでLSさんのプラ・ハンマーを形状修正してつけました。

 

 

           

 

フロントサイトはライトニングは半月形だったので後部をカットしたS.A.A.型に変更、エジェクターピンガイドも丸形からソラマメ型に直しました。

 

 

 

          

 

バレルの太さは.38口径のライトニングと一緒ですが使用弾丸が.22LRとかなり細いのでマズル・フェイスをいったん埋めて新たに穴を開けました。

 

 

        

 

今回カスタムを造るうえで一番苦労したのはシリンダーで当初はライトニングのものをフルートの埋め戻しと再成形で行けるかと思っていたのですがなかなかきれいに出来ず、新橋銃砲玩具店さんのDTのシリンダーの中間部3cmぐらいをカットして後ろに同サイズの円柱を張り付けるやり方に替えました。幸いDT部分のフォルムはきれいに残ってくれたのですが後ろに貼り付けた円柱をポリ性の本棚の足で造ったので素材の違いにより細かい傷がのこってしまいました。

 

この画像でもう一つ見てほしいのはシリンダー・ピンでライトニングは独特な大きめのヘッドが付いていたのでLSさんのピンに替えさせてもらいました。あとフレームのスクリューが2つなのにも注意してください。

 

      

         

 

シリンダーの前面はいったん1mmのプラ板でふさぎ、新たに.22用の穴を開けました。

 

 

          

 

同様にシリンダー後部も1mm板でふさいだあとに.22用の穴を開けダミーカートが入るようにしました。左サイドのスクリューが2つだったので、右側面にシリンダーラッチを固定するためのスクリューが付けられています。通常のS.A.A.はここが左からの挿入になるのでスクリューピンの頭が見える場所になります。

 

 

        

 

 本来はバレルの上面には一列のコルトアドレスなのですがライトニング用の2列表記のアドレスがきれいなのでそのまま残すことにしました。

 

 

 

        

 

バレルサイドの刻印はライトニングのままというわけにはいかないので、COLT.D.A.38のDを埋めてSに、38を埋めて22に変えてみました。

 

 

 

         

 

         大きさ的にこちらのサイドバック・ホルスターがぴったりですね。

 

 

          

 

 

          単体ではS.A.A.との違いが分かりにくいので2種ならべて

 

          

 

見慣れてくるとスカウトのスマートなフォルムが気に入ってきて通常のS.A.A.がなんだかずんぐり感じてしまいます。

 

 

          

 

  カスタムの元にしたライトニングとの比較。上に書いた個所以外にフレームの段差とかにも注意。

 

 

          

 

        同右面。ハンマーの形状違いやシリンダーのフルートの違いなど・・・

 

 

         

 

 

今回も専用の木製ケースを造りました。左下の弾丸陳列用の板がやや寸足らずなってしまって左端6mmほど継ぎ足したのがわかってしまいますね^^;。あとサイズがタイトすぎて入れるのにすこしコツがいります。

 

 

             

 

            以上フロンティア・スカウト.22でした。

 

 

 

 

 

 

 

             次回はS.A.A.のビズレー・モデルです。