057. COLT M1892 NEW ARMY & NAVY (Vol.3)

 

                    

                    

 

 コルト初のスウィング・アウト式のダブルアクション銃はM1889として実現しUSガバメント・オーディナンスは大きな期待を寄せ特にネイビーは約2000丁を注文しています。その後コルト社はそのモデル年号の後ろにニューネイビーと付け、ネイビーの期待に応えました。そのM1889に改良を加えて完成させたのが今回登場のM1892で同モデルはネイビーだけでなくアーミーからも発注を受けたので同モデルはニューアーミー&ネイビーの名称で呼ばれ、その後も改良を重ねM1895、1896、1901、1903の各モデルともニューアーミー&ネイビーと呼ばれたようです。

 

 このモデルの外観はその後登場するアーミー・スペシャルにシルエット的にはかなり近い感じなのですが、細かく見ていくと機構の違いからいくつかの相違点があることに気が付きます。

 

 

 今回も残念ながらメーカーからは一度も出たことのない機種なので前作M1878同様自作することにしました。ベースはクラウンさんのエアガン・パイソンです。形状的にはタナカさんのパイソンが一番近いのですが、モデルガンをベースにすると内部に金属の芯が入っていたり、ハンマーやトリガーも亜鉛製なので加工が難しいのでほとんどのパーツがABS製のクラウンさんのものを使いました。

 

 M1892がその後のアーミースペシャルやM1917などと大きく違う部分はプレートが右側にあることで、それによりハンドも右側になるのでシリンダーの回転方向も逆になっているようです。そのあたりのメカの改造は僕には無理なので今回は可動部はハンマーとトリガーだけにしてシリンダーは連動しない形にさせていただきました。

 

 

                    

 

 

  というわけで左側面のプレートはフレーム本体と一体化させました。フレーム下面の波型ラインもアーミー・スペシャルとは違っているのがわかるでしょうか。ハンマーの形状はM1878に近くトリガーの形状も独特なカッティングになっています。

 

                        

 

        新橋銃砲玩具店さんのM1917と見比べると違いがよくわかりますね。

 

 

                   

                  

 

 

 M1892の特徴の一つにヨーク下のストッパーがあります。フレームは中心部分まででカットされてヨークの突起部分がそこで回転を止める形式です。

 

 

 

                   

 

 M1917の同じ部分の画像です。アーミースペシャル以降パイソンまでここの形状は変わっていません。

 

         

 

ハンマーの形状はM1878によく似ていますが、取り付け位置の違いによりハンマーノーズの場所がかなり違っているのがわかります。自作ではカートの後端をたたかないようにするため実物より短く作りました。

 

         

 

 ちなみにM1878のハンマーがこちら、ノーズはずっと低い位置につけられています。

 

 

                    

 

            M1892 のフロントサイトはかなり大きめの半月形。

 

                     

 

                    

 

 アーミー・スペシャルになると同じ半月ですが下1/3ぐらいの部分が厚くなり。よりサイティングし易くなっているようです。

 

 

                    

 

        M1917のフロント・サイトは独特で後ろ部分が抉られている感じです。

 

 

                    

 

 M1892のエジェクター・ピンの形状。画像によっては一番前の部分に小さな穴があるものも確認できました。フレーム上部がS.A.A.と同型なのがこの画像でもわかりますね。あとバレルの付け根に段差がないことも確認してください。

 

                    

          

 

  M1917のエジェクター・ピンはパイソンなどにかなり近いですがチェッカリング部が前後とも同じ長さになっているので見分けが付きますね(パイソンは前方の方が長い)。バレル接合部にしっかり段差ありです。

 

 

                    

 

 アーミー・スペシャルのエジェクター・ピンは年式によっていくつか違いがあるようですが、僕は一番シンプルなタイプを再現してみました。フレーム上部前方の抉れはやや大げさすぎた感じです。バレル付け根の段差表現もへたくそ^^;。今ならリューターがあるのでもう少しそれっぽくできたかもしれません。

 

 

                    

 

 S.A.AともM1878とも違う独特な形状のシリンダー。フルートは短めでその横におそらくシリンダーストップらしき小さな四角い穴、一番後部には縦長の溝があるのですが、このあたりの機能がいまいちよくわかりません^^;。

 

                  

 

 フレームのトップはほぼS.A.A.と一緒。この部分はLSさんのプラモデルから移植しました。長さがたりなかったので中央部分をカットしてプラ板を継ぎ足しました。

 

             

 

 フレーム上部を後ろから見たところ。右がM1892で左がM1917です。1917は後端が抉られています。

 

 

                  

 

 かなり前に造ったアーミー・スペシャルと。どちらもコルトの純正グリップなのですがM1892のものの方が一回り大きいです。

 

 

                  

 

               ネットで漁ったパーツ図と機構図。

 

                  

 

 右側面。プレートのラインは実はダミー。どちら側からも開かなくなっているので、万が一作動不良が発生した場合はフレームを切断しなければなりません(汗)

 

 

 

                     

 

     しばらく空きができていたM1917の横にようやく収まる機種ができました。

 

 

                  

 

              専用ケースは毎度おなじみの画材箱。

 

 

                   

 

                   

                   

 

 

         以上モデル1892ニュー・アーミー&ネイビーでした。

 

 

 

 

 コレクションナンバーとしては058はM1896 ニューポリス、059はM1897ニューサービス、060にM1905マリン・コープ、061にM1917の4インチを予定しています。いずれも未制作なので次回は062としてM1917の6インチに行かせていただきます。