062. M1914 KONGSBERG COLTEN (Vol.2)
1893年ノルウェー軍は全軍の標準拳銃として、ナガン・リボルバーをM1893の正式名称で採用した。ナガン・リボルバーは長らく正式拳銃として使用されたが1904年になると後継拳銃の選定が始まった、1911年選定委員会は.38ACP弾を使用するコルトのM1902の採用を決定し、ロンドンのコルト社代理店から25丁を購入した。しかし間もなくして米軍新型の.45口径拳銃M1911を採用したことを受けて、追加としてM1911の評価を行うことにした。1913年1月M1911がノルウェーに届く、1914年初頭までの評価試験を通じて1914年8月にM1911の正式採用を決定しM1914の正式名称を与えた。1914年9月にはベルギーのFN社とノルウェー当局がノルウェー国内での生産を認める契約を交わし、コングスベルグ兵器廠における生産が始まった。
M1911のライセンス生産はアメリカ国内にとどまらず当時の友好国各軍で行われました、なかでもこのコンググスベルグ社のモデルは、その独特なスライドストップが印象的でコルトコレクターの間でもその希少価値から人気のあるモデルとなっているようです。
画像のモデルはウェスタン・アームズ社のガスガンで、一緒に写っているマガジンはリアル・マッコイズのM1911からの借用になります。僕はふだんネット・オークションでほしいものを探すのに時間のある時は「モデルガン」忙しいときは「モデルガン・コルト」などで検索していたのですが、ある日このコングスベルグのガスガンを偶然みつけ、その再現度の高さにおどろき、それからは「ガスガン・コルト」も同時に検索するようになりました。
もちろん一番目をひくスライド・ストップの再現も秀逸なのですが、細かい個所まで気をつかって打ち込まれた刻印が素晴らしいので、そのあたりを中心に見ていきましょう。
スライド左面の刻印。
スライド右面には製造年と思われる1921と生産工場のプルーフ・マークらしき刻印。
リアサイトの中心線と後ろの〇その後ろにはAの刻印もあります。
スライド左面の一番後ろにあるNo1753がシリアル・ナンバーらしく。あらゆるパーツに同ナンバーの下3桁が刻印されています。M1911A1はすべてのパーツが互換性を持つことが売りの一つとなったモデルなのですが、当時のヨーロッパはまだ銃器は一つ一つ手作業で作られていたのでしょう。完成品に安心感を与えるため同じシリアルのパーツで作られている証が必要だったのかもしれません。
ハンマー、サムセイフティにも同ナンバリング。
グリップ・セイフティとメインスプリング・ハウジングにも。
米国産の1911ではここまでシリアル・ナンバーが打たれることはまずないですね。
バレル。ブッシングにも・・・
なんとマグキャッチにまで。
このホルスターはノルウェー軍のものではなく、ポーランド軍のものなのですが、時代的にこの時期のヨーロッパの軍用銃のホルスターはこれに近いものだったのではないでしょうか。
予備のマガジンもぴったり収まりました。
もちろんこのホルスターはレプリカですが、なかなかきれいです。
専用ケースはまったくの空想^^;。たぶんペーパー・ボックスが標準だとは思いますが資料がないのででっち上げです。
内部にはコングスベルグ兵器廟のトレードマーク。この時代からこのマークが使われていたかは甚だ疑問が残りますが・・・
すこし不明瞭ではありますが、同モデルの資料画像と・・・
以上M1911コングスベルグ・モデルでした。
次回はまたリボルバー系にもどって1861ネービーが順番なのですが例によってまだ未購入なのでひとつとばして017のNo.3デリンジャーに行きましょう。