鰻です。
愛知→静岡と国道を走れば、すなわちそこには浜名湖が存在する。
浜名湖といえば、鰻。
従って今回の旅で私は鰻を食べなければならないという重い宿命を背負ってしまっていたのです。
おおげさな。
しかし、これは私のポリシーでもあります。
旅に出たら旅先でしか食べられないものを食す。
可能な限り。
たとえそれがちょっと変わったモノでも。
例えば甲府へ行ったときはイナゴの佃煮でした。
後ろ足の食感がちょっとアレですが、それ以外は美味しく炊いた川エビですよ、と言われれば何の疑いもなくご飯三膳いけそうなくらい美味なモノでした。
そして今回はそれが鰻である、と。
前日蒲郡(竹島)ではメヒカリの一夜干しと、蒲郡ミカンをしっかり戴いております。
そしてあけたこの日は静岡入り。鰻を食べずにどうしようか。
ちょっとくどかった。
本題に戻りましょう。
そんなこんなでかなり思い詰めて静岡に入ったにもかかわらず、なかなかピンとくるお店がない。
国道沿いにはいくつも鰻屋さんの看板もあがっているのだが、「美味しい匂い」が感じられなかったんです。
そしてせっかくなのにと諦めつつ見付天神のそばまで来たとき!
ありましたよ。
しかしちょうどお昼時で駐車場に車があふれていたため、先に見付天神へしっぺい太郎さんをお参りに行くことにして。
しっぺい太郎さんを十分堪能した後にお店に戻ると、駐車場もすっかり空いていて。
しめしめ思惑通りと車を止めていると、なにやらお店の方らしき男性が出てきてこちらを見てらっしゃる。
はっ!もしやっ!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
あわてて時計を見ると午後2時を今まさに過ぎたところ。
ありゃぁ…営業時間が過ぎちゃったのか…でもまだ暖簾はあがってるよね?と思って
「まだよろしいですか~?」と聞けば
「お昼最後のお客様です、どうぞ入りくださいませ」との有り難いお言葉。
ひょっとしたら、ウチの車が京都ナンバーだからせっかくなのでと気を遣っていただいたのかも。
いそいそと入店した私たちは、さっそく鰻丼(上)、うなまぶし、鰻巻き、肝焼きを注文。
空腹の限界を超えていた私たちは写真を撮るのも忘れて鰻巻きと肝焼きをぺろり。
鰻巻きも卵と鰻の量が良いバランスで美味しいし、肝焼きも何の癖もないメッチャプリップリ!
うま…ビールほしい…前日蒲郡では時間に余裕があったから、ビール一杯飲んだ後び4~5時間ほど酔い覚ましを兼ねた散歩タイムをとれたのだけど、この後すぐに京都に向かって高速乗るからひたすら我慢。
そしてまもなく主役登場。
ちなみに鰻丼と鰻重の違いは器のみ、
ならば食べやすい丼をチョイス。
鰻が一本まるまる入って\2,100也
名古屋でいう「ひつまぶし」ですね。
こちらのうなまぶしには肝吸いこそ付いていませんが、大きな鰻がたっぷり入って\2,800也。
丼用の鰻とうなまぶし用の鰻、実はちょっと違ってるんです。
丼用の鰻は一度蒸してから焼き上げる関東風、おかげでとてもふっくらしています。
それに対してひつまぶし用の鰻は蒸さずに焼き上げた関西風。表面もパリッと香ばしく焼き上がってとても薫り高い。
ご主人に聞いてみたところ、こちらのお店では少し大きめの鰻を使っていることもあって、ひつまぶしに蒸しの鰻を使うと味わいがクドくなりがちなんですって。
さらに同じ理由で、名古屋のひつまぶしでは通常出汁をかけていただくのに対し、こちらではよりサッパリとした味わいのためにお茶をかけていただくようにしているのだそうです。
ちゃんと料理それぞれによって調理法をきちんと変えてられるのん、えらいなぁ。
ひょっとしたら何処共にそうなのかもしれないけど、今まで気づかんかった…ってことは、他のお店では全て同じ焼き方をした鰻を使ってられるんや無いかな?
なんしか丼の鰻はホクホクふわふわ、うなまぶしの鰻はジューシーで香ばしく、それぞれとても美味しくいただけました。
うなまぶしは小さな器のミニサイズもメニューにありましたので、お一人でお越しの際には丼やお重にミニうなまぶしを御一緒なさってはいかがでしょうか?
本来なら営業時間外だったところをご主人のお心遣いのおかげでとても美味しいお食事をいただくことが出来ました。
ありがとうございました、満腹っ!大満足!ご馳走様でした~