俳優・緒形拳さんの緒形明伸さんです。多くの人に愛されていた一人です。
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My Fair Prisoners!?調書
囚人番号:202110111721
名前:緒形拳(こぶし)
懲役:71年
服役した刑務所:東京府東京市牛込区
音楽:ディキシージャズ
映画: 黒澤明さんの映画
本:大江健三郎さんの本全般
罪:お袋の下着を隠し持っていた事
喜:アカデミー賞俳優賞を頂いた事
怒:藪医者
哀:癌に罹ってしまった事
楽:演技をしている時
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エッセイ「緒形拳(こぶし)」さん
「緒形拳(こぶし)」は5人兄弟の4男として産まれた。小柄で、近所の子供たちと、戦争ごっこなどをして、元気に育った。
友達は多く、この頃から将来は役者になりたいと考えていた。 小学校で疎開。軍国少年だったが、日本が戦争で負けて、それ以来、一切国を信用しなくなった。
中学校では、芝居の真似事をして遊んでいた。将来は役者で喰って行く事を早々に決めていた。
高校三年生の時に、ある芝居を親に連れて行かれ、そこで将来を決めた。
同級生の伝手で、新国劇に入れてもらった。俳優の辰巳柳太郎さんと、同じく俳優の島田正吾さんに目を掛けてもらい、舞台俳優として生きて行く事を考えた。
多くの舞台に上がり、名がそれなりに知られるようになってから、映画にも挑戦した。 特に、映画「復讐は我にあり」に出演し、アカデミー賞を頂いてからは、映画に多く出演させてもらった。堅物で、仲間に呆れられるほどだった。
最後は、肺癌。もうどうしようもなかった。最後に少し恰好を付けて死んだ。
死んだら直ぐに「Hot Temptation」と当時言っていた「学園Heaven」(亡くなった人々、大天使、天使達が暮らす場所)に来て、「お前は死んだよ」と親父に言われ、心底驚いた。死んだら無になると決め掛っていたからだ。
今は、死んだ俳優仲間や先輩たちと演技談義の日々。「「病名命名屋・命名屋」君、君の演技を楽しみにしているから」そうプレッシャーを掛けた「緒形拳(こぶし)」だった。(了)
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※この方も刑期を終えました。
名前の由来ですが、初めに付けられた芸名だからというのが理由です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!